Berkeley

2009

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映画「スタートレック」を観る

2009年05月19日14:57

今夜は、気になっていたJ.J.エイブラムス監督の「スタートレック」を観に行きました。日本では今月末からということなので、ちょっとお先に失礼します。

そしていつものように、結論から。

…残念…。

ぼくにとってのサイエンスフィクションの醍醐味は、日常の思考の惰性を打ち破る想像力や構想力にあります。つまり、人間や、人間がつくりだした文明を外側から眺める視線にこそサイエンスフィクションの生命があります。

21世紀の今、希望が見えない時代だからこそ、未来をイメージしてつくられた映像がどんなものになるのかが本当に楽しみでした。しかし今回の作品に出てくるアイディアは、どれもいたって陳腐なものだったように思います。

人間は何百年経っても、ビールを飲んだり、キスをしたり、殴り合いをしたり、そういうことはずっと残ってゆくだろう、科学技術が進化しても人間社 会はそんなには変わらないだろう、というメッセージは、まさに今の時代の雰囲気を反映していてリアリティがあり、とても共感しました。

けれども、依然として醜い宇宙船に乗った悪役や、アメリカ人のバカ青年がリーダーシップを取るシナリオや、理性と感性の間で揺れ動くスポックなど を見せられると、少々うんざりします。どれもすでにどこかできいたような、従来の固定観点をなぞるようなものばかりで、たとえば映画館を出た後、これまで と世界が変わって見えるような新しい座標軸がなかったように思います。

エンタープライズ号もカッコ良くなって、キャストも若返って、話のスケールも大きくなっていましたが、内容に新味がない、というのがぼくの結論です。

ただ、スポックの子ども時代の学校でのシーンや、スポックのお父さんであるかつてのミスタースポックの登場、また細かいのですが、スポックのセリ フ、「 It's logic sound 」などは良かった(クール)です。それから、宇宙艦隊の本部がサンフランシスコだというのも、ゴールデンゲートブリッジの映像を観て初めて気がつきまし た。

いずれにせよ、ちょっとぼくの期待が大きすぎたのかもしれません。