Berkeley

2009

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床屋さんで

2009年03月07日09:29

3か月ぶりに床屋さんにいきました。
28ドル。技術も確かで、まあ、リーズナブルです。

お名前は? ときかれ、

「ヒロシです」

と答えたら、

「ああああ、ヒロシマさんね!思い出しました!」

ヒロシマで記憶されるのは、悪い気がしません。
また、いつの間にか、以前のように床屋に入る前に英語で緊張したり困る事がほとんどなくなっている自分にも気がつき、嬉しくなりました。

――散髪開始。――

散髪屋さんに限らず、この近所の店員はみんな気さくによく話をします。

まず彼女によれば、「日本人の髪は、男も女も濃い(髪がたくさんある)」のだそうです。一本一本は細く、きめ細かい髪がたくさん生えるのが日本人の特徴だということです。初めてきいた事実ですが、バークリーの多民族を長年散髪してきた彼女が言うので説得力があります。

前よりも親しくなって、さらにお互いに家族のことなどを話していると、彼女の25歳になる息子さんが、最近急遽、解雇されたということを知りました。

「とてもスマートな子」で、スタンフォード大学の大学院まで卒業し、シリコンバレーで働いてかなりの給料をもらっていたらしいのですが、突然のレ イオフだったそうです。アメリカって、たとえエリートであっても、そういう風に突然仕事を失うのだということが実体験で伝わってきました。

今は半年間と決めて、アフリカでボランティアなどをしながら、世界中を回っているのだそうです。

「もどってきたらすぐに仕事が見つかるものなんですか?」

ときくと、

「仕事なんて簡単にあるわけないじゃないですか!」とのこと。

そうなんだ…。

それにしても、ボランティアに向かうのは、今の若者の共通の特徴だと思います。彼らの世代は、何か「大切なもの」を初めて見据えることのできる世 代なのかもしれません。「成長」や「発展」、「マネーゲーム」ではない世界のあり方や生き方を見つめ始めている若い世代に希望がもてます。

彼女は、「日本で国民に200ドルが配られる」ニュースをきいて、ぼくに確かめていましたが、「一人につき200ドル」と知ると、「それは大きな額ですねえ」と驚いていました。

ぼくは「景気を回復するためなら、その10倍以上は必要だと思いますよ。200ドルなんてみんなタンス預金です。」と言うと、

「そうですね。200ドルじゃね。…ところでヒロシマさんは、いつもどこで買い物をするの?」

「近くのアンドロニコスです。」

「えええええ!あそこは一番高いんですよ!前は安かったんだけど、景気が悪くなってものすごい値上げしたんです。もう誰もいきませんよ。」

「そうなんですか!」(どおりで、いつも空いている…。)

「ちょっと遠いけどコリアン・マーケットは安いですよ。」

「ハイ。じゃあ、今度行ってみます。」

と、そんな所帯じみた話をして帰ってきました。

こんなところにも、今のアメリカの不況の実情が表れていると思います。

今日のテレビ(CBSニュース)では、アメリカの失業率が8.1%にまで上がり、それは1983年以来最悪だということ、またティーン・エイ ジャーの失業率は22%にのぼることが報じられていました。また、「Bad News」として、「サンフランシスコ・クロニクル」という地元紙がさらに、150もの職をカットすること、カリフォルニア州の財政が悪化し、州から支払 われるべきお金があちこちで滞り、そして州債をさらに増刷りして急場をしのいでいることが報じられていました。この景気後退は、どこまで行くのか、底なし 沼のようです。