藤田晴啓研究ゼミナールは2012年から佐渡市小泊集落の協力を得て、同集落の薪能イベントに参加する傍ら、集落世帯の意識調査を実施してきた。2020年から2022年にかけて小泊集落および佐渡総合高校にて、佐渡の若者流出という課題をテーマにワークショップを開催し、同時に質問票調査を行なってきた。

 佐渡総合高校でのワークショップでは若者流出解決策は「公共交通機関の充実」「進学・就職先の充実」「娯楽施設の充実」とかなり明確な解決策がまとめられた。

 小泊集落でのワークショップでは、「佐渡での住みやすい環境整備」をテーマに話し合いを進めた。3つのグループで共通して出た意見として、「移動手段の充実」、「子育て支援の充実」、「学校の増設」、「給料に合った物価」などがあげられた。

 佐渡市の若者流出は日本で一番大きな離島である佐渡島特有の現象と捉えられがちであるが、人口減による政令都市廃止にともない、行政サービスの縮小とそれによって起きる新潟市経済の落ち込み、佐渡市が先行しているように若者流出が新潟市でも繰り返されないだろうか。

図1 佐渡総合高校でのワークショップ

図2  小泊集落でのワークショップ