情報 × 会計

経営学科  山下 功 准教授 

2つを結びつけることで生まれる効果、その知見を伝える。

会計と情報を結びつけた研究をしていることから、新潟市総務部IT推進課からの要請で、財務会計システムの再構築について知識を提供しました。もともと会計と情報の親和性は高く、コンピュータが登場した60年ほど前、最初の事務処理として使われたのが会計という歴史もあるほど。今でもコンピュータを使ってさまざまな会計処理が行われていますが、新潟市のシステム再構築にあたっては、どのようなシステムを導入したらいいのか、どのような基準で業者を選定したらいいのかなどを具体的に伝えました。現在の技術では、入力も自動化することができるため、ITを使うことでかなり効率化を図ることができますが、新潟市などの大規模事業者になると、業者の経験やセキュリティ面も重要。知識は、運用当事者としてだけでなく、依頼者にも求められています。 また、新潟県社会福祉協議会主催の高齢者大学(現シニアカレッジ新潟)でも、会計に関する講座を受け持ちました。高齢者に教養を広げてもら う目的なので、内容は一般的な会計についての講義でしたが、本学では 小・中学生だけではなく、高齢者までの外部教育に力を入れている一端が見えると思います。

ホログラム × 薪能

経営学科  藤田 晴啓 教授 

「ホロジェクション」で伝統芸能を活性化

2012年から学生が佐渡の能舞台で仕舞、謡、囃子で出演するなど、薪能イベントに参加する地域活性化プロジェクトを羽茂小泊集落の住民と続けています。2014年からは新潟市の映像製作会社に協力いただいて、能の題材によるプロジェクション・マッピングも演能と合わせた演出として取り入れています。2019年は、天から鼓と類い稀な才能を授かった少年の霊があらわれる物語「天鼓」の場面にあわせて、鼓や能面・舞台装束をつけたシテ方(主役)を学生が3D化して、演者が出入りする「橋掛り」の壁に投影しました。さらに、実際にホ口レンズをつけてシテ方ホログラムを見ているリアルタイム映像「ホロジェクション」も紹介。「再帰映像」すなわち「合わせ鏡」のように重なり写る像を動かすといった演出効果を行いました。自分たちの持っている知識や技術、アイデアを融合させることで、伝統芸能に光を当て、佐渡の能楽イベントに新たな魅力を引き出したいと、毎年ゼミ生が活動を引き継いでいます。

ドローンの活用

情報システム学科  河原 和好 准教授 

プログラムを組み合わせて佐潟の白鳥観測。地域の再発見、発信へ

きっかけは、本学の近くにある佐潟で、飛来する白鳥を地元の方々が目視で数えていたことでした。もっと正確に数えられないかということで、ドローンを飛ばして潟を上空から撮影し、画像を見てカウントするようになりましたが、それを聞いて、ドローンにプログラムを組み合わせれば、自動でカウントできると考え、プログラムを作成しています。現在は私自身も週に2、3回、日の出直後に行ってドローンを飛ばしています。継続的に見ていくことで、白鳥の数だけでなく、どんな群れをなしているか、つがいがどのような位置関係にいるのかなど、生態もつかめるようになってきました。興昧のある学生とは一緒に佐潟に行くこともあります。これをきっかけに潟に注目し、新潟市北区の福島潟をバーチャルで体験できるCGをつくった卒業生もいます。さらに、同じ情報システム学科の小林満男先生が進めている地域の観光ビデオに、ドローンで撮影した映像を使おうという話が進み、学生と一緒に撮影や編集を行っています。自分たちが住んでいるところに砂丘や潟があることを俯瞰で知ることは地元の再発見につながりますし、その発信を通して地域に還元もできるのも大きな魅力です。

ドローン活用佐潟

プログラミングの発信

情報システム学科  中田 豊久 准教授 

必修化を踏まえ、新潟市の小学生にゲーム感覚で

本学の社会連携センターの活動の一環として、新潟中央キャンパスで小学生を対象にプログラミングを教えるほか、新潟市内の小学校に出向いて、授業を行なっています。プ口グラミングは2020年度から小学校で必修化されるなど、学校教育でも取り組みが強化される科目。本学の授業でも使っている迷路のゲームを簡略化し、小学生に実際にやってもらっています。ネコを迷路から脱出させるべく「右を向いてまっすぐ進んで」「左を向いて、、、」と指示を与えるのですが、この指示がつまりプログラミング。小学生にも、いきなり説明から入ることはしないで、まず手を動かしてもらい、自然とプログラミングの第一歩を踏み出してもらう仕組みです。さらに、教える側である小学校の先生にも、迷路のゲームをしてもらい、加えてプログラミングを必修化する意義、目的、効果などを専門家の立場から伝えています。
また、本学と包括的連携協定を結んでいる魚沼市では、中学生を対象に「数学おもしろ講座」を実施。情報システム学科の先生と交代で赴き、塾のように分からないところや問題を直接、聞いてもらい説明するという形式で進めています。

プログラミングの発信