シンポジウム「植民地責任の現在―1965年日韓国交正常化から問い直す」開催のお知らせ
平成29年12月8日(金)本学新潟中央キャンパス9階講堂を会場にシンポジウムを開催します。このシンポジウムでは歴史学としての視点から、国際関係において単純に除去、消去、忘却されてしまう問題ではなく、教訓を学び取ることを含めて、植民地責任を引き受けることがそれぞれの立場を生かしていくような議論を目指しています。どなたでもお気軽にご参加ください。
記
■日 時:平成29年12月8日(金)13:00~18:00
■主 催:新潟国際情報大学、東北亜歴史財団
■対 象:学部生・大学院生・教職員・一般
■言 語:日本語(通訳なし)
■会 場:新潟国際情報大学 新潟中央キャンパス 9階講堂 アクセスマップ
■申 込:無料・事前登録必要無し
1-要 旨:
2015年の日本軍「慰安婦」問題についての日韓共同発表がなされた後も、この問題が「最終かつ不可逆的に」解決されたとは言えない。この問題のみならず、強制労働、朝鮮人被爆者、さらには日朝国交正常化交渉の議題となるはずの諸問題がいまだに取り残されている。
これらのいわゆる「歴史問題」を考える土台として、このシンポジウムでは1965年の日韓国交正常化に焦点を当てる。2005年から韓国および日本で10万ページ以上の外交文書が公開され、それらを分析した研究成果が多数発表されてきた。しかし、それらを整理しつつ、学術的な分野ではもちろんのこと、今私たちが置かれている植民地責任をめぐる状況を克服するための議論が十分になされてきたとは言えない。
日韓国交正常化交渉でどのような議論がなされてきたのか。そして、1965年の日韓諸条約を土台として、植民地責任をめぐる問題がどのように進んできたのか。このシンポジウムでは特に歴史学としての視点から、国際関係において単純に除去され、消去され、忘却されてしまう問題ではなく、この問題からの教訓を学び取ることを含めて、植民地責任を引き受けることが、それぞれの立場を生かしていくような議論を目指したい。
2-プログラム:
13:00~13:20 開会式
主催者挨拶 平山征夫 (新潟国際情報大学学長)
趣旨 説明 吉澤文寿 (新潟国際情報大学教授)
13:20~15:00
第1部:1965年日韓国交正常化交渉について
浅野豊美(早稲田大学):
「アメリカに依存する日韓関係の政治的起源-戦後日米関係の展開とガリオア債務問題」
金 恩貞(大阪市立大学):
「朝鮮半島に対する日本外交のジレンマ―日韓請求権交渉と在朝日本財産をめぐる日本政府の認識」
尹 錫貞(国民大学校):
「日韓会談の再開と岸政権、1956-1957」
嚴 泰奉(国民大学校):
「日韓会談の議題間の関係性に関する研究-基本関係問題と文化財問題を中心に」
討論:吉澤文寿(新潟国際情報大学)、李元徳(国民大学校)
15:00~15:15 休憩
15:15~17:15
第2部:1965年から現在までの諸問題の展開について
李 洋秀(大阪経済法科大学):
「1965年日韓で結ばれた1つの条約、4つの協定」
長澤裕子(東京大学):
「日韓国交正常化直後の外交と歴史問題-新開示資料を中心に」
? 承?(高麗大学校):
「日韓国交正常化から日中国交正常化へ、1965-1978」
? 芝娥(慶熙大学校):
「日韓会談以降日韓両国の米軍駐屯問題」
討論: 金鉉洙(明治大学)、 朴昶建(国民大学校)、南相九(東北亜歴史財団)
17:05~17:15 休憩
17:15~18:00
第3部:総合討論・質疑応答:「植民地責任」をキーワードに今後の展望について
■問合わせ先:
吉澤文寿 yosizawa@nuis-ac-jp
新潟国際情報大学 新潟中央キャンパス
〒951-8068 新潟市中央区上大川前通7番町1169番地
TEL:025-227-7111/FAX:025-227-7117