ノーベル平和賞候補者・カンボジア元女性省大臣による特別講演会が開催されました
令和7 年5 月20 日(火)にノーベル平和賞候補者で元カンボジア女性省大臣のムー・ソックフオ氏をお招きし、カンボジアにおける民主化の失敗とその国際的影響についてご講演いただきました。
【講演概要】
日本を含む国際社会は1991 年のカンボジア和平パリ協定に調印し、内戦後の同国における民主的な国づくりを支援してきました。しかし、現在のカンボジアではフン・セン一族による独裁体制が強まり、直近の2 回の総選挙は主要野党を排除して実施されました。
この民主主義の後退は、カンボジア一国の問題にとどまらず、東南アジア地域全体と世界に広範な脅威をもたらしています。独裁的な現政権が中国と緊密な同盟関係を結んだことで、パリ和平協定が規定したカンボジアの中立性は損なわれ、中国の実質的な軍事拠点の設置による地域安全保障の不安定化や、中国系犯罪組織による人身売買とオンライン詐欺の拠点化など、深刻な問題が生じています。
さらに、カンボジアの独裁政権は中国と同様に、日本を含む世界各地の在外民主化勢力に対して越境弾圧を展開しています。
今日、カンボジア国内で反対の声を上げることは事実上不可能です。ムー・ソックフオ氏が代表を務めるクメール民主主義運動(KMD)は米国に拠点を置き、国際社会へのロビー活動、将来のリーダーとなりうる若者の育成などを通じて、カンボジアに民主主義を再建するための闘いを続けています。



