国際学部の学び

「COOL LOCAL」のヒントを得た大学時代

株式会社テクノファーム 取締役副社長・ディレクター

小林 友 さん

1998年本学卒業(新潟県立新潟南高等学校卒業)

 新潟を拠点に、出版物や動画、Webサイトの制作をする「テクスファーム」で ディレクタ ーとして働いています。NUIS卒業後に、普通の会社員をしながら、遊びでフリーペーパーの編集を手伝っていたことがきっかけで、広告や デザインの勉強をしないまま、今の会社の立ち上げに参加して、もう20年以上になります。

 会社のスローガンは「COOL LOCALJ。自分たちが暮らす街をもっと好きになってもらいたい。その思いを込めて、すべてのものを作っています。街にいる若者をモデルにしたフリーペーパーを創刊したのも、佐渡島ではない方の新潟の小さな離島・ 粟島のプロモー ションも、地元 ・ 新潟のニット工場とブランドを立ち上げたのも、根っこには、同じ思いがあります。すでに魅力的なものを持っているのに、まだ知られていない。それを伝えたいんです。

 特に、五泉市のニット産業については、使命感を持って携わっています。新潟県は、日本一のニット産地ながら、それを県民自身もよく知りません。誰もが聞いたことのある。一流ブランドの製品も作っているのに、その事実も技術の高さも伝わっていない。だから、有名フランドに負けない最高品質のニットを作って、産地だけで販売する。そうやって地元のニ外産業を少しずつ、正しく伝えていきたい。こういう考え方は「都会への憧れ」や「数の論理」とは、真逆のベクトルで、今の主流ではないかもしれない。でも、そこには自らの経験が反映されてます。

 10代の大学進学の時、20代の就職活動の時、そして、フリーペーパーで有名になった30代に東京進出の誘いがあった時。すべてのタイミングで、地方都市の暮らしを選んできました。僕は、都心の高層ビルで休みなくパリノ吋働いて高級車に乗るよりも、自分のペースで好きな仕事をして週末は家族と過ごし、中古のバイクで、昔の友だちに会いにいく。そういう暮らしに魅力を感じてしまう。この価値観は、大学時代に決定づけられました。

 NUISの1期生だったこともあり、先輩もいない白紙のような大学は、自分たちで考えて、それを実行できる。そんな土嬢がありました。当時のMacの最新機種が大学にあったので、そのソフトで自主映画を作って、大学祭に大講堂で上映させてもらったり。後夜祭と称して校内でDJイベントをさせてもらったり。NUISは、自由で、大らかで、やりたいことを後押ししてくれました。僕のベースは、間違いなく、大学での4年間に作られたと思います。

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大学は、一生の友だちさえも作れる場所。NUISで出会った友だちは、今もよく会う大切な存在です。まだ何者でもない頃の、損得勘定のない友だちは、社会に出てからは、なかなか作れません。自分の「やってみたい」を声に出せば、同じ思いを持つ人たちは、意外に近くにいて、一緒に面白がってくれる。その経験や出会いは、人生の大きな財産になるはず。


 

「考えて話す」英語で、燕三条のものづくりを世界に発信

株式会社マルト長谷川工作所

六間口 紀恵 さん

2021年本学卒業(新潟明訓高等学校卒業)

 三条市にある工具と爪切りのメーカーで、営業と広報を担当しています。約30カ国への輸出が売り上げの7割を占めていることもあり、年に5~6回はドイツ、オランダ、台湾なと’海外の見本市に行っています。見本市では、道具の使い方だけでなく、燕三条がどんな地域なのかを、ものづくりの歴史とともに英語で伝えます。長年かけて培った技術があること、それが継承されて高い品質に結びついているこじすると、製品についてもより深く理解いただけで、新たな取引に結びついたこともありました。

 英語のコミュニケーションにおいては「何を話すか」が大事であることをNUISの英会話の授業や留学、そして通訳ボランティアを通して学びました。高校までは、与えられたテキストを読んだり書いたりするだけでしたが、大学のCEPの授業では「話したいことを英語にするJことに始まり、「考えて話すスキル」を身につけることかできました。また、新潟市から委嘱された通訳ボランティアでは、外国の方を案内するために地元のこと、なかでも燕三条の産業について学びを深めました。個人的に工場を見学するまでに興味を持ち、就職活動では「英語を活かしたい」と燕三条地域で海外展開をしてし、る企業に絞って活動しました。入社して3年の聞に製品のことを学び、ネイリストの資格も取ったので、今後はお客様を待っているだけでなく、新たなお客様を獲得できるように、積極的に商品のこと、地域のことを発信していきたいと思います。

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NUISの先生方は、学生の考えや意思、意欲を尊重し、挑戦を力強く後押ししてくださいます。また、国際学部では、言語を多方面から学ぶことができるので、単に語学を習得するだけでなく、習得した言語で何を伝えたいのかを探してください。


 

積極的に参加し、調べて取り組む姿勢が業務の礎に

三条市役所

小柳 尚也 さん

2023年本学卒業(新潟県立三条東高等学校卒業)

 議会事務局という部署で議会の活動をホームページで知らせたり、本会議や委員会の会議録の作成、議長や議員をサポートする仕事に緊張感を持って取り組んでいます。議題に応じて、根拠となる法令や関連する例規を調べることも多く、大学のゼミで身についた「気になったことは積極的に調べて取り組む」姿勢がとても役に立っています。3年次のゼミでは、企業や自治体に赴いて「働くこと」についてのインタビューを行い、大学祭で発表。4年次のゼミでは、貧困層が住まいを持てない現状に注目し、住宅問題を調べ、卒業論文にまとめました。インタビューでも論文でも、事前にしっかり調べて向き合うことで、成果が得られることを実感しました。2年次はコロナ禍になり、大きく大学生活が変わりました。リモート授業が加わり、大学に行かない日も増えましたが「将来のことを考えたり、これまでできなかったことに挑戦するいい機会」と捉え、オンラインの課外活動に参加。NUISと新潟大学の有志・先生
と一緒に、地域活性化を持続させるための意見交換の場を、オンライン上に作りました。私自身は、地域活性に取り組む県内各地の学生団体へのヒアリングを担当。これをきっかけに「地域活性化に関わりたい」という気持ちが芽生え、卒業後の進路として市役所を選びました。もともと生まれ育った場所への思い入れもあって選んだ職場です。まだ1年目ですが「地域のために」という初心を忘れずに、業務に取り組んでいきたいと思っています。

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NUISの先生方は、学生の考えや意思、意欲を尊重し、挑戦を力強く後押ししてくださいます。また、国際学部では、言語を多方面から学ぶことができるので、単に語学を習得するだけでなく、習得した言語で何を伝えたいのかを探してください。


 

チャレンジっておもしろい。「未知」って楽しい。教えてくれたのはNUISでした。

本田技研工業株式会社 カスタマーファースト本部市

国生 史子 さん

2005年本学卒業(新潟県立新潟中央高等学校卒業)

 世界中のHondaのお客様に満足して製品を使い続けていただけるように、必要な市場の情報を取りまとめ、開発部門へ届けるのが私の仕事です。何か製品に不具合があった場合、スピーディーに現場の声を吸い上げ、対応策を練り、適切な対処方法をお客様に知らせる。一つの案件に半年以上かかることも多く、原因を探るために、サービスピットで車両の構造や使い勝手を確認することもあれば、海外の現地法人と電話やテレビ電話で話したり。当社には 「1台目は営業が売り、2台目はサービスが売る」という言葉があるほどサービスを大切にしています。そんな中、お客様の目線に立ち、お客様の代わりに声を出し、サポートしていくことが私の任務だと思っています。

 入社した時からずっと、この海外サービス部門にいます。「地域と日本をつなぎ、車を通して日本を売り込みたい」。そんな思いを、できるだけお客様に近いところで実現していきたいと、自分から希望しました。ずいぶん大きなことを考えていたと思いますが、でも、チャレンジしなければ何も始まりません。そんな精神は大学時代、NUISで培われました。

 「海外に行ってみたい」。漠然とした思いで選んだ大学でしたが、実は英語は不得意で、一年次の時、自ら留学先を探して訪れたアメリカの短期留学では「話せない」という事実を突き付けられました。これが悔しくて「話せるようになりたい」とCEPをフル活用し、英語を日常的に使うようにしました。更に大学や新潟市主催の英語スピーチコンテストに出場したり、国内外の学生と国際問題について英語で議論をする国連大学グローバルセミナーに参加したり。CEP、スピーチコンテスト、英語のセミナー。大学時代の三つの英語体験を通して「チャレンジっておもしろい。もっとチャレンジしたい」と思いました。

 その頃には「もっと勉強したい」という思いが強まり、卒業後は神戸大学の大学院へ。研究者を目指して進んだ道でしたが、フィールドワークを続けるうちに、本や論文を相手にするより「人」と関わりたい、世界中の人に喜んで使ってもらえるモノを提供してみたい、と気持ちが変わりました。留学や旅行でたびたび訪れていたアジアで、Hondaのバイクを女性もよく乗っていたのを見て、日本のメーカーが面白そうだと思ったのも理由の一つです。

 そして入社、4年後には念願の海外勤務へ。ただ、その時は先輩と一緒のトレーニーとしてのイギリス駐在でしたが、1月から赴任した南アフリカではアフターセールス領域は1人。しかも訪れたことのないアフリカという土地。どんな所なのか、何が待っているのか、全てが楽しみです。「未知の世界に飛び込むワクワク感って楽しい。もっといろいろな国の人と会ってみたい」。仕事をする中でも新たに夢が生まれ、前へ前へと歩く今の私をつくっています。

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大学時代はチャレンジにぴったりの時間です。NUISではぜひ、いろいろなことに挑戦してほしいと思います。難しいのは最初の一歩。やっぱり勇気がいります。でも、踏み出せばその先には必ず出会いがあり、新たな価値観があり、発見があります。体験を通して、違う自分に会うのもまた、発見です。挑戦できる時間や機会があるのに、止まっているのはもったいないです。恐れることなくチャレンジしてください。


 

留学で感じた世界の広さと多様性がプラス思考の言動力に

佐渡市役所

伊豆野 裕 さん

2008年本学卒業(新潟県立両津高等学校卒業)

 観光振興課で、外国人観光客に佐渡の良さを知ってもらい、旅行に来てもらうように働きかけています。具体的には、海外の旅行会社やメディアの方々を佐渡に招き、佐渡の観光素材だけでなく、雰囲気や人の温かさなどを感じてもらい、佐渡への旅行ツアーを作ってもらったり、雑誌やSNS等を通して情報発信し、PRを行ってもらいます。また、海外の観光展にも出展し、現地で直接、佐渡の魅力を伝えることも仕事の一つです。

 大学卒業後は、日本サムスンという専門商社で仕事をし、その後、2015年に佐渡にUターンしました。きっかけは、地元を盛り上げたい、生まれ育った町のカになりたいという想いからでした。

 今の私があるのは、学生時代の部活動の立ち上げと留学経験の2つが大きく影響していると感じています。何もない状態から形にする経験と、いろいろな価値観の中で相手を認め、尊重し、理解する経験が、仕事を進める上での根幹を成しています。それは、前職でも現在の職でも変わりません。今まで以上に急速にグローバル化が進むこれからの世界において、学生時代にさまざまな形で学んだ国際理解力を武器に、地域と一緒に成長していきたいと思っています。

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視野を広げ、価値観に影響を与えるのは、自分と違う価値観の人とどれだけ出会えるかです。大学生活の中で、その出会いをぜひ体感してください。留学制度をはじめ、何事も積極的にサポートしてくれる体制など、 NUISはさまざまなことを可能にしてくれます。


 

留学が「日本らしさ」を見直すきっかけとなって、伝える側に

株式会社JALスカイ

五十嵐 愛里 さん

2016年本学卒業(新潟県立新発田南高等学校卒業)

 羽田にある東京国際空港で、国際線のカウンター業務のほか、お客さまに搭乗口の案内をしたり、手荷物の返却などをしています。「航空業界で働きたい」と思ったのは高校生の頃。ぼんやりとした憧れが、NUISで学ぶ中で、はっきりとした志望になりました。世界の人たちが行き交う場所で、「日本らしさやおもてなしの心を伝えたい」と思うようになったのです。

 もともと、着物や抹茶など日本の伝統的なものに興味があり、NUISでは茶道部に入部したほど。そしてその後、中国への留学をきっかけに、日本文化の良さを再発見しました。

 留学期間は1年と4カ月。中国語コースを選択していたので、北京への4カ月の派遣留学制度がありましたが、中国語の區先生から勧められて1年間延長。「勉強したい気持ちがあるなら、奨学金をもらって続けてみては」とやさしく送り出してくださいました。

 中国で暮らす中でもっとも印象的だったのは、文化の違いでした。接客の現場でも、自分の意見をはっきり言う中国人に出会い、日本人の気配りや目配り、心遣いが日本ならではのものだと気づきました。どちらがいいということではありませんが、海外に出たことで、日本では気づけなかった日本らしさを知ることができ、そして「今度は自分が伝える側になりたい」と思いました。

 毎日、国内外を問わず、たくさんのお客さまにお会いします。そんな中、いつも自分に言い聞かせているのは「常識は常識ではない」ということ。これも、NUISで学んだことでした。国によって生活習慣も違えば文化も違う。だから、相手が自分とは違う背景を持っていると思って接し、相手によって対応も変えなければならない、と。そんな日々は、新しい出会いや発見に満ちていて、入社して3年経った今でも、わくわくが続いています。

 来たる2020年は、日本にとっても旅客に関わる私たちにとっても、重要な年です。世界各地からいらっしゃるお客さまを、日本の心でお迎えし、おもてなしできるように、今から心の準備を始めています。

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少人数で、先生との距離が近いのがNUISの大きな魅力です。私に留学延長を勧めてくださったように、先生方が学生一人ひとりを見て、親身になってくださっていると感じました。また、さまざまな文化や背景を持った先生が多く、キャンパスの中に「外国」があるのもNUISならではです。


 

大学での経験が今の自信につながっています

燕市役所(新潟県庁派遣 新潟県農林水産部食品・流通課)

長井 沙耶 さん

2015年本学卒業(新潟県立燕中等教育学校卒業)

 大学卒業後は大好きな地元に恩返しをしたいという思いから燕市役所に就職し、主要な産業である商工業を振興する部署に配属されました。その中で県庁への派遣の話をいただき、現在は新潟県農林水産部食品・流通課で、野菜の需給調整や、その流通ルートである卸売市場の監督・指導などの業務にあたっています。

 公務員にとって業務内容が大きく変わる異動はつきものですが、市から県への派遣は職場自体が変わり、求められる資質も異なるため、一筋縄ではいかないことが多々あります。それをも新鮮さとしてポジティブに受け止められるのは、やはり大学時代での経験が大きいと感じています。

 本学では裏千家茶道部の立ち上げに携わり、部長として部を引っ張る傍ら、専攻していた語学の資格取得、アルバイトのかけもちなど、自分がやりたいと思ったことは何でも手を抜かずに頑張ってきました。今振り返っても忙しい日々だったとは思いますが、楽しく充実した学生生活でした。

 そうした日々を過ごしてきた経験が、現在の業務の中でも「私ならできる!」と思える、いわば原動力になっていると思います。

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NUISにはやりたいことができる環境があります。部活の立ち上げ、留学、興味のあることを突き詰めて学ぶなど、いろいろなことが「やってみよう!」で実現できるところが魅力だと思います。まずは口に出してみてください。 きっと賛同してくれる仲間が見つかると思いますよ。


 

NUISで学んだ柔軟に、多元的に考えるという姿勢

株式会社リンコーコーポレーション 運輪本部東港支社国際物流部通関課

吉田 敬伸 さん

2015年本学卒業(私立北越高等学校卒業)

 私は現在、通関という仕事をしています。通関という言葉は聞き馴染みがないかと思いますが、外国から到着した貨物を輸入する、または日本から外国へ輸出するためには税関への事務手続きが必要となります。輸出入を伴う事務手続きには日本国内の法律、外国の法律、国際法、国際条約などさまざまな法律が関わりとても複雑です。その手続きを輸出入者の代理人として請け負うのが私の仕事です。

 在学時は留学に参加し、さまざまな国籍や人種の方と同じ学び舎で勉学に励みました。そこで自分が感じたことは、国籍や人種は違えど何をされたらうれしく、何をされたら悲しいかは世界共通であるということです。留学を通し、人と人が関わるうえで相手の気持ちを理解して行動することの重要さを改めて実感しました。

 私の仕事はお客さまの代理人をすることで成立しているので、お客さまの要望にかなう内容をご提案していくことがとても重要です。そのため大学時代に学んだ柔軟に相手の立場に立って考えるという姿勢は、場面を問わず重要なスキルとなっています。

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私は大学の派遣留学制度を利用し、初めての海外生活で語学に限らずさまざまな経験をしました。そして大切なのは、その経験を今後にどう活かしていくかということです。皆さんには大学生活を自己成長のステージと捉え、自分が将来何をしたいのかを時間をかけて考える場所として、大切に過ごしていただければと思います。


 
経営情報学部の学び

デジタルデータの分析から施策を展開。大学での学びが考え方のベースに

株式会社河北新報社 デジタル戦略室 兼編集局コンテンツセンター

城戸 千尋 さん

2007年本学卒業(新潟県立新発田南高等学校卒業)

 東北地方のブロック紙である河北新報を編集・発行している宮城県仙台市の新聞社で、Web展開のための戦略を練り、実行するデジタル戦略室に所属しています。具体的には、1年前に誕生した有料版ニュースサイト「河北新報オンライン」の会員獲得を目指し、デジタルマーケティングとプロモーション企画を担当しています。

 現在の会社に入ったのは6年前。NUIS卒業後は新潟日報社に勤め、整理記者や支局の記者、メディア事業を経験しました。結婚して仙台市に引っ越してからも「幼い頃からの夢だった仕事を続けたい。ニュースに関わり続けたい」と中途採用で今の新聞社に入社しました。

 現在、デジタルデータの分析を行うなかで感じるのは「情報システム学科で学んだ頃と、ベースとなる考え方や手法は変わらない」ということ。分析を 行う前のデータの蓄積、仮説と検証の繰り返し。ニュースサイトの会員データ を集め、分析していると、これまでも当新聞を購読してくれていた方々が多く、読者層は紙媒体とあまり変わらないことが分かってきました。万人に網を投げるのではなく、河北新報のファンである方々に河北新報オンラインの魅力を知ってもらうことが、会員獲得の近道だと分かりました。プログラミングのプロセスも同じです。データを蓄積して知見を広げ、検証を行い、さらなる仮説を立て、研究結果を導いていく。その根底にあるのは「データは嘘をつか ない」ということ。これも、情報システム学科のゼミで学んだことです。

 幼い頃から「ニュース」が好きで、新聞社で働くことが夢でしたが、大学時代のゼミで、システムというものへの興味が深まり、新潟日報社の入社試験では 新聞製作システムを担当する技術部門を志望しました。それが後のメディア事業部での仕事に、さらには現在の会社のデジタル戦略という今の仕事につながっています。

 私生活では2年前に長男を出産し、育児休暇を経て、約1年前に仕事に復帰しました。復帰後は、個人として生きている実感、仕事を通して社会とつながっている実感をいっそう抱き「仕事を続けること」を積極的に選んでいこうと改めて思いました。紙媒体は過渡期にありますが、私たちの生活に関わるニュースという情報は、変わらず、求められ続けます。その最前線で働いていることを、いつか子どもにも誇りと思ってもらえるように、子育てとの両立を果たしていきたいと思います。

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NUISの魅力は、先生や職員の方々が、友だちに近いくらいの距離感で、学生一人ひとりに向き合ってくれることです。ゼミも就職活動も、小規模大学ならではのきめ細かなフォロー体制があり、学生生活や学び、就職活動をサポートしていただきました。先生や仲間たちと刺激的な時間を過ごしたことは、今の糧になっています。


 

人と人とのつながりが大切な仕事。チームワークを磨いた大学時代

日本生命保険相互会社

粕谷 美里 さん

2020年本学卒業(新潟県立巻高等学校卒業)

 

 法人職域ファイナンシャルコーデイネーターとして、新潟支社に入社して4年目、今年から法人市場課のアシスタントリーダーとして、営業職員の支援を行っています。営業職員が、企業や官公庁などのお客様を訪れる時に同行したり、営業活動についてフォローやアドバイスをしたり。法人職域リーダーとともに新人の人材育成にも関わり始めています。

 生命保険会社を選んだのは「人と話す仕事がしたいJと思ったからでした。高校時代までは、初対面の人と話すのがあまり得意ではありませんでしたが、NUISに入ってから先生方を含め幅広い人と知り合ったこと、そしてアルバイトで4年問、スーパーのレジを担当して「知らない人と話すのは楽しい」と思うようになったのがきっかけでした。就職後は、営業という仕事にもスムーズに入ることができ、最短の3年でアシスタントリーダーになりました。

 新潟支社の法人市場認は、2つのグループに分かれていて、それぞれ営業職員、チーフ、リーダーと十数人のチームで動いています。チーム内で課題や解決策を話し合う時などは、大学時代のゼミでの共同研究が活きていると感じます。ゼミの仲間とは、さまざまな企業の財務諸表や貸借対照表を見て分析を行い、結果を共有し意見交換して提言をまとめました。仕事でも「やっていることは同じだな」と思い、積極的に意見を出しています。近い将来には、マネージングのスキルをもっと上げて、周囲から頼られる法人職域リーダーになりたいと思っています。

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NUISはコンパクトな大学なので、例えば同じ学科の仲間とはすぐ顔
国II染みになり、自分から働きかければ、だれとでも関わりを持てるのが
魅力です。また、大学時代は時間があるので、何か一つのことをやり
続けることができます。興味のあることにチャレンジしてみてください。


 

演習で目覚めたプログラミングの魅力。独り立ちが目標です

JA新潟電算センター

澤田 輝 さん

2021年本学卒業(新潟第一高等学校卒業)

 JAグループ新潟の情報処理を担当する会社の開発事業部で、システム開発を担当してしぜす。県下のJAグループの顧客管理システムなどを作成し、取引をスムーズに進めるための手助けをしています。この仕事を希望したのは、大学時代の授業で、プログラミングの面白さを知ったからでした。特に演習では、毎回、与えられた謀題に対してプログラムを作成しましたが、無事に動いた時はほっとすると同時に、喜びがありました。「動くまでは分からない」ものだけに、動いた時には達成感があるのだと思います。それは現在の仕事でも同じです。要望を営業部門から聞いて作成したプログラムが思い通りの画
面になった時、あるいは情報の処理が素早くできた時はとてもうれしく、さらに「使いやすくなった」「早く仕上げてくれてありがとうJなどと言われると「次も頑張ろうJという意欲が生まれます。

 会社にはNUISの卒業生が多く、今の席は両隣が先輩。やはり同じ大学出身という近しさがあって、分からないことを質問する時にも聞きやすく、先輩からも、特別に目をかけてもらっています。

 今はまだ先輩たちに頼ることが多い毎日ですが、先輩たちのように、プログラミングの方針を素早く、明確に定めてスケジューリングして、一人の力で仕事をこなせるようになりたいと思っています。

NUISを目指すみなさんへ


NUISの先生方は、学生の考えや意思、意欲を尊重し、挑戦を力強く後押ししてくださいます。また、国際学部では、言語を多方面から学ぶことができるので、単に語学を習得するだけでなく、習得した言語で何を伝えたいのかを探してください。


 

自由に生き、思考の幅を広げられた大学時代。「やり切る」根性が現在の道を拓いて

株式会社DTS 法人通信事業本部第三法人事業部 事業部長

木村 真幸 さん

1999年本学卒業(新潟県立新潟東高等学校卒業)

 NUISの2期生として卒業、新卒でこの会社に入ったので、早いもので19年になります。企業を相手にコンサルティングから設計、開発、運用などシステムに関するすべてをサポートする会社において、現在は事業部長として事業計画をまとめるほか、企業と打ち合わせをしてシステムを作ったり、また子会社の取締役として、社員にメッセージを送ったり、さまざまな業務を担当しています。

 現場では、新発売となった清涼飲料水の物流システムを、単に効率良く動かすだけでなく、CM効果や利益率を最大限に発揮できるように構築したり、高速道路自動運転化を視野に入れたシステムにAIを組み入れて考えたり、世界で展開するアパレルの通販サイトに関わったり。大手企業との仕事がほとんどで、相手は外国人も多いのは、やはり首都圏の会社ならではだと思います。海外出張も多く、年に2、3回はアジアを中心に各2週間ほど滞在して、打ち合わせのほか委託先の教育などを行っています。

 就活前から、就職は首都圏のIT企業と決めていました。入社当時は東証二部上場だったこの会社も、今では一部上場企業となり、社員数も2倍に。約20年の間に成長した企業でステップアップできたのは、問題解決能力に尽きます。言い換えれば、決してあきらめずに、根性でやり切ってきたから。プログラミングという仕事をしていると、必ずトラブルに直面します。その時にどう対処するのかが肝心。起こった問題に対して逃げることなく、かわすことなく、しっかりと捉えて最後までやる。社会に出ると、出身大学の名前はまったく関係ありません。資格も実は、あまり関係ありません。結局はその人次第、「やり切る」かどうかだと思います。

 大学時代にやり切ったことといえば部活です。バドミントン部に所属していましたが、創立して2年目ですから、当初は部の方向性も定まっていませんでした。そんな中「本気でやる」と志を一つにした仲間たちとひたすら練習して、最後は2部リーグの入れ替え戦まで行きました。その後、強化指定部になったベースは自分たちがつくったのだと、自負しています。授業は正直、あまり真面白に出ていなかったのですが、記憶に残っているのは統計やマーケティングの講義。ものごとをいろいろな角度から見ること、その楽しさを教えられました。ケジューリングして、一人の力で仕事をこなせるようになりたし叱思ってU唆す。

NUISを目指すみなさんへ


大学を目指すみなさんに伝えたいことは、とにかく大学時代は自由な時間を過ごして、思考の幅を広げてほしいということ。働き始めると、なかなかそういう時間は持てません。勉強だけでなく、アルバイトでも遊びでも、とにかく本気でやる。そうすると、見えてくるものがあるはずです。本気でやらないと楽しさも味わえませんから。もちろん、本気で挑戦すれば、当然、痛い失敗もあると思います。でも、この失敗こそ大事だと、今は言えます。勉強になるのは明らかに失敗事例で、失敗の積み重ねがナレッジ(知識)となるからです。ITの世界において、使っているコンピュータは学生もプロフェッショナルも同じです。有利に働かせられるかどうかは、このナレッジ(知識)にかかっているのです。そしてもう一つ、就職には首都圏という選択肢を、ぜひ加えて欲しいと思います。大学で視野を広げながら、そして世界を身近に感じながら、地元での就職しか考えないというのは、ちょっともったいない。今や情報に時差はありませんが、ITの世界でも、流れの源はやはり首都圏にあります。枠の中から外へ飛び出すつもりで、挑戦してほしいですね。


 

新潟からアニメVR/ARコンテンツを。大学での経験が今の仕事に

株式会社Gugenka(旧株式会社シーエスレポーターズ)

阿部 英輝 さん

2017年本学卒業(私立東京学館新潟高等学校卒業)

 新潟に本社を置く株式会社シーエスレポーターズのGugenka®(グゲンカ)事業部にて、アプリケーションの開発を担当しています。Gugenka®は主に日本の人気アニメ、マンガコンテンツのVR/ARアプリを開発するチームです。2017年は「Re:ゼロから始める異世界生活」などの人気作品のVRアプリをリリースし、東京ゲームショウや各種イベントに出展をしました。2018年春には、LIVE配信サービスSHOWROOMにて「東雲めぐ」がデビューするなどGugenkaオリジナル作品にも注力しています。これらはシーエスレポーターズが掲げる「Making the Fan/Fun」のもと、自分も楽しみながらお客様・ユーザーに楽しさを提供できるよう心掛けています。作ったものを他人に喜んでもらえるのはとても励みになりますね。

 私は大学時代にVRに出会ったことでIT業界への憧れが強まりました。それからこのワクワクを、たくさんの人に知ってもらいたいと考えるようになりました。アプリ開発に関する講義では、開発の基礎的な知識を学ぶことができるので、新たな事に挑戦するこの業界でも充分に応用できていると思います。

NUISを目指すみなさんへ


自分のやりたい事を模索してみてください。在学中は新たな出会いと発見があると思います。システムを開発する、ゲームを作るなど出来る事はたくさんあります。NUISで得られるたくさんの知識や経験は、自分自身の財産になって社会に活かせるはずです。


 

お客様のニーズに合わせて資産形成を提案

大光銀行 吉田支店

木下 和 さん

2015年本学卒業(新潟県立新潟西高等学校卒業)

 入行して1年目は預金係として預金や振込の業務を行い、2年目は融資係として個人や法人のお客様のローンや事業の決算書分析などを担当しました。そして3年目の現在は、MA(マネーアドバイザー)としてお客様の資産形成のお手伝いをしています。金利が低い時代にあっても、上手に運用すれば資産を増やせるということをお客様に気づいてもらうのが仕事で、窓口に来られない方の家などを訪問し、資産状況や今後のライフプランなどを聞き取り、その方に合った運用商品をお勧めしています。

 大学では金融工学の白井ゼミに所属し、卒論では企業の業績シミュレーションをしましたが、これが現在の融資業務の参考にもなっています。またNUISの授業では、企業で活躍されてきた方々が教員として教壇に立ち、FP(ファイナンシャルプランナー)などの講義をしてくださいます。MAの仕事をしていると、あの時、説明していただいた内容が具体的になって、理解も深まりました。少子化問題やテクノロジーの進化などにより、金融業界も大きく変わろうとしています。将来を見据えた金融の講義が受けられたことは、今の仕事にはもちろん、社会人としての糧にもなっています。

NUISを目指すみなさんへ


学べる内容も立地的にもいい環境が整っている大学です。国際関係、システム、経営、金融など幅広い分野を学べるので、専門的に学びたい分野が決まっている人も、将来のことで迷っている人も、この大学で自分の目標を見つけ、社会人としての準備を進めてほしいと思います。


 

ITと医療を結ぶ新しい世界で研究。始まりにNUISの学びがあります

埼玉医科大学 保険医療学部臨床工学科 講師・博士(工学)

石川 雅浩 さん

2002年本学卒業(新潟県立両津高等学校卒業)

 埼玉医科大学保健医療学部の教員として、学生にプログラミングや「電気電子実験」を教えるほか、慶慮義塾大学医学部の先生らと一緒に医用画像の研究を続けています。医用画像とは、人体を撮影し計測した結果を画像化したものです。 研究者の道に入るきっかけは、大学3年の合同企業説明会で覚えた違和感でした。「何か違う」。別の道を探した時、小さな頃から体が弱く、貧血で入院していたことを思い出し「医療に関われれば」と。ただ、医療系の資格を持っていたわけでもありません。あきらめずに調べてみると「医用画像処理」という分野があり、ITの知識やスキルが活かせそうだと知りました。そこで新潟大学大学院の自然科学研究科へ進み、医用画像処理の研究を始めることに。博士課程の時には、新潟大学医学部の先生から声をかけられて一緒に研究を行い、院修了後は埼玉大学や東京工業大学で博士研究員として医用画像の研究を行いました。東京工業大学在職時には国際光工学会(SPIE)で賞をいただくことができ、それも大きな励みとなって研究を続け、今に至ります。医療の世界で道が開かれたのは、ベースにNUISで学んだITの知識と技術があったからです。私の場合は医療とITを結ぶ世界に飛び込みましたが、対象は農業でも、教育でも、食でもいいと思います。ITの知識や経験を異分野と結びつけると、未来を大きく広げることができます。

 そしてNUISでは、専攻したITだけでなく、経営やマーケティングなど文系理系を問わず横断的に学べたことが、今の柔軟な考えや対応につながっていると思います。たとえば医師との研究では、高度な医療知識を理解した上で、ニーズを汲み取り、プログラミングという形にしなければならず、知識だけでなく対応力も問われます。直属の教授からは「石川君は文系のやわらかさもあるのが強みじゃないかな」と言われました。ITと医療を結びつけ、経営の知識も役立てながら研究を続ける、そんな広がりのある現在の始まりには、NUISでの4年間がしっかりと刻まれています。

NUISを目指すみなさんへ


NUISには企業や官庁で働いた経験のある先生が多く、リアルな体験談を聞くことで、将来への可能性が広がると思います。またITだけでなく幅広い分野を学べるのも魅力で、一見すると研究には遠そうな経営やマーケティングの知識も今、特許申請のプレゼンに役立っています。


 

4年間の学びが未来の礎に

株式会社第四北越銀行

有磯 ゆりえ さん

2017年本学卒業(私立新潟明訓高等学校卒業)

 入行してちょうど2年になりました。最初は預金係として預金や為替の業務を行い、2年目からは窓口係としてお客さまと密に接する機会が増えました。窓口に来ていただいたお客さまの資産状況や今後のライフプランなどを聞き取り、ニーズに合った資産運用の提案をしています。

 大学入学当時はどのような分野の勉強をしたいか定まっていませんでしたが、経営や情報システムの講義を受講していく中で、経営の分野に興味が湧き、金融関係の仕事がしたいと考えるようになりました。経済学やFP(ファイナンシャルプランナー)などの講義で多方面から経営を学んだ経験が普段の仕事のベースとなっています。

 また、業務に必要なFPや財務、法務などの資格試験の勉強でも在学中に学んだ経済・経営の知識が役に立つ機会が多く、企業経験のある先生が行う実践に基づく講義を受けることで、早い段階から社会人としての準備を行えました。

 金融業界では、金融サービスと情報技術の結び付きが強くなっています。大学で経営と情報システムをどちらも学べたことは、これからの私の強みになると感じています。

NUISを目指すみなさんへ


大学生活は社会人としての準備をする大切な期間です。NUISは、いろいろな経験ができ、学ぶ環境が整っている大学です。まずは自分の目標を見つけてください。留学や就職など豊富な実績があるので、実現に向けて全力でサポートしてもらえるはずです。


 

仲間と共に、成長できる環境がありました

株式会社新潟県農協電算センター

丸山 達也 さん

2008年本学卒業(新潟県立新津高等学校卒業)

 県内のJA職員が利用するシステムの開発、運用等をする会社の営業部で問い合わせ対応等、サポート業務を行っています。主に金融業務を担当しており、勘定系システムの操作方法に関する問い合わせ対応が現在の業務です。現場に出張しシステムの説明をしたり、研修の講師をすることもあります。 1・2年次に履修したプログラミングやテレコミュニケーション、3年次の情報セキュリティ等の講義で修得したシステム系の基礎知識が、入社後の開発作業で活かされたと思います。専門的なことはもちろんですが、国際学部の講義も受講でき、魅力的な先生方の話を聞けたこともとても良い経験になりました。

 またゼミでは、仮説を立てデータを収集し検証するプロセスを学びました。ゼミの担当教員はユーモアあふれるフレンドリーな先生で、今でも先生を囲んで当時のメンバーと飲み会をすることもあります。

 大学生活を振り返ると、留学、サークル、部活、国際交流ファシリテーターといろいろなことに挑戦しましたが、一番印象に残っているのは、やはり友人と過ごした時間です。さまざまな活動を通してできた仲間と共に、成長することができました。

NUISを目指すみなさんへ


人と関わる場所に積極的に参加し交流することで、自然とマナーが身につき、自分が目指すもの、向いていることが発見できると思います。大切な仲間を見つけて、勉強に遊びに思いきり楽しんで大学生活を送ってください。