Berkeley

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ミュージカル「ビーチ・ブランケット・バビロン」を観る

2009年05月15日08:50

昨日は以前から観たかった、ここでしか観られない、サンフランシスコ限定のミュージカル、「Beach Blanket Babylon」を観に行きました。

1974年から35年も続いているミュージカルです。
写真は劇場入り口です。

まあ、たわいもない内容で、主人公の白雪姫が結婚相手を探しに世界中を訪ねて、そこにいろいろなキャラクターの濃い人間が登場するというものです。サンフランシスコから出発し、ローマ、パリ、イギリス、アメリカの田舎など、そこに住むさまざまな人間たちと触れ合います。

当代の有名人もたくさん出てきます。クリントン、ヒラリー、オバマ、ブッシュ、ペイリンなどの政治家、ビートルズやプレスリーやハーヴェイミルクなどの歴史上の人物たち、ウーピーゴールドバーグやマイケルジャクソン、アメリカ先住民やミスター・ピーナッツまで出てきます。

いわば大衆が思っている偏見をデフォルメして、それらをあえて見せることで、知的な笑いを楽しむという趣向になっているとも思いました。登場人物やアメリカ社会の背景を細かく知らないと笑えないものが多いのですが、外国人の私にもほぼ分かる内容で、十分に楽しめました。

何より、役者たちの鍛え抜かれた肉体や、歌唱力が、この「おふざけ」を芸の至高にまで高める事に成功しています。息をつく暇もないくらい次々と休みなく、練成された音と空間が展開し、ミュージカル特有の贅沢できらびやかな時間で満たされました。

しかし、事前に読んだガイドブックには、白雪姫は日本にも旅をするはずだったのですが、期待していた「日本」はついぞ出てきませんでした。サンフ ランシスコでは(いや、アメリカでは)、もう日本の影は薄くなってしまっているのかもしれません。こんなところにも、日本の世界における存在感の低下を感 じます。

ところで、帰りが遅くなったのですが、駅のバス停近くで、ある青年と出会いました。日本語で話しかけてきたので、「日本語を学んでいらっしゃるの ですか?」ときくと、「高校で学びました」とのこと。よくきくと、UCバークリー博士課程の大学院生で、理論物理学が専門だとのことです。

髪は巻き毛で、その澄み切った目にただならぬ知性を感じさせました。若いころのアインシュタインのようです。名前をきくのを忘れたのですが、10年後、世界をあっと驚かせる物理学者になっているかもしれません。

昨日はミュージカルもさることながら、その偶然に出会った青年の瞳も忘れられません。