学生便覧2014
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国際文化学科国際文化学科カリキュラム 国際文化学科の教育内容は、いわゆる外国研究と国際関係に関わる科目をバランス良く学ぶ、広い意味での国際学を中心としています。とくに、歴史的に日本と関係の深い北東アジア(ロシア極東、中国、韓国・朝鮮)及び東アジア、さらにアメリカを含むアジア太平洋地域への理解を深め、これら近隣諸国との平和で公正な関係の構築に積極的に参加すること、さらに国際社会に潜む諸問題と国境を越えた地球的問題群への認識と考察を深めることを教育目的にしています。 そのためには、第一に互いの文化を理解し尊重することが重要になってきます。人間は往々にして、未知の文化や人々に対してよく理解しようとせずに、自分の勝手な見方によって、一方的に決め付けてしまうことがしばしばあります。日本人もその例外ではなく、自民族文化中心主義的な傾向や、多様性や異質性への不寛容な傾向がしばしば見うけられます。その原因として、日本人の異文化についての体験や学修の欠如、異文化コミュニケーション能力の未熟さが指摘されており、これらの学修は本学科の教育内容の基軸のひとつとなっています。 その異文化理解の重要な部分として、歴史を学ぶことがあります。アジア経済が成長するにつれ、アジア諸国との協力の重要性がさけばれていますが、その前に、この地域の長い歴史はもちろんのこと、明治以降、近代日本がアジア諸国に対しておこなった負の歴史をしっかり見つめ直すことが必要です。なぜなら、正しい歴史認識なくしては相手の信頼を得ることはできず、また相手の信頼なくしては将来を語り合うことは不可能だと思われるからです。みなさんには、歴史を学びアジア諸国および世界の同世代の若者と未来を存分に語り合えるようになってもらいたいと思います。 さらに、異文化理解のなかには、新潟や日本のことをよりよく知り、世界にそれらを発信することも含まれます。 第二に、一地域の研究に限定せず、国境を越え相互に密接に結びついた国際社会を対象とする広い意味での国際研究が必要です。今日、政治や経済は国境を越えて複雑に結びついています。円とドルの為替変動がスーパーに並ぶ商品の価格を左右します。また、コメどころ新潟県としてはとくに気になるコメの自由化は、国際的な自由貿易の動きに強く影響されています。このように日常生活の変動を理解するためにも、世界の政治経済の仕組みを勉強する必要があります。また、地球温暖化のような環境問題や地球的規模での不平等である南北問題の解決のためには、国境や民族の違いを越えた地球市民的発想をもつ必要があります。 第三に、これらの異文化理解や国際研究のためには、コミュニケーション手段が重要です。まず、日本語によるコミュニケーション能力の向上が最も重要になってきます。外国語の能力をのばすためにも日本語で読む、書く、聞く、話す、そして考える能力をしっかり身につける必要があります。そのうえで、国際語としての英語が重要になってきます。英語はいまやイギリスやアメリカの国語(national language)のみではなく、国際語(international language)としての性格をもっています。ですから、  431.国際文化学科の教育

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