vol82
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湧源編集後記に代えてゆう げん入試・広報委員長 西山 茂ようこそ。この大学でみなさんと人生の貴重な時間を共に過ごせることを嬉しく思います。大学に入ったら、まず、試験や偏差値で輪切りにされた狭い世界観を捨て去っ初心忘れず、と申します。人生の節々に強く思ったことを温め、育てていけば夢は実現により近づいてきます。入学した今思っててください。これからみなさんが出逢う世界は、これまでにないほどずっと大きな世界です。また、「こんな程度だ」と思っていた自分よりもはるかに大きな自分に出逢えると思います。日本の若者の多くは、自分自身で自分の人生を小さくしてしまいます。それは、長い期間、学校でくり返し「自分がいかに無力であるのか」を教えられるからです。けれども、君たちはまだ人生を始めたばかりで、本当は無限の可能性を秘めています。「常識」をふりかざし、人間の無力を説く大人や世いることをぜひ文章で記録してみてください。その思いは在学中に何度か書き換わるかもしれませんが、自分の成長だと思って時々は振り返ることをおすすめします。 5く上で大事なことのひとつは、永遠に生きると思って学び続けるということです。本学は、地方の小規模・私立大学ですが、多彩な経験を有する研究者や企業等での豊かな実務経験を有する教員も多く、学び方や学ぶ習慣を身に生涯にわたり元気で幸せに生きてい間や先生にだまされてはいけません。大学は、生きる上で大切な価値を学ぶだけでなく、新たな価値を創り出す場所でもあります。新しい価値を生み出すためには、既存の価値を一度疑ってみなければなりません。そしてこのように「懐疑」し、「創造」するためには、それに持ちこたえるだけの「自信」が必要になります。大学での学びは、それを可能にするでしょう。卒業今は凝り固まった頭のしがらみを、柔らかく解きほぐしておいてください。つけるには恰好の環境にあります。ところで二宮金次郎をご存知でしょうか。背負っている柴・薪を教科書の詰まったリュックに、手に持っている本をスマホに置き換えれば、皆さんは現代の二宮金次郎と言えるかもしれません。彼は他人に頼まれて柴・薪を運んでいたのではなく、入会地で入手した柴・薪(換金商品)を販売する事業家でした。皆さんは、スマホを自在に時にまったく違った人間になっている自分を想像して、操りながら学び、リュックに教科書(知識)を背負って何を目指しますか。旅立ちのときである。大学生には、「巣立ち」という方が的を射ているかもしれない。中には苦労して社会に飛び出して行く学生もいるだろうが、多くの学生は今まで保護者の庇護のもと、「ぬくぬく」とした生活をしてきているのだろうが、これからはそうはいかない。様々な雨嵐を自分の力だけで乗り越えていかなければならない。その覚悟が必要である。よく「アルバイトをしていたから、社会のことはわかっている」という学生がいることを耳にする。しかし、アルバイトで経験したことは、これから経験することのホンの一部であることを肝に銘じておく必要がある。「褒めて伸ばす」という言葉がある。この言葉を否定はしない。おそらく小学生までは、重要な教育方針であると思う。確かに、褒められて悪い気はしない。しかし、自我が確立し、多くの知識を身につけ、経験を積んだ大学生や社会人には全面的に適用できる言葉ではないと思っている。怒るというのは、自分と同じことができない(しない)ときに生じる感情だそうである。ある目標に向かってチームで仕事をしているとき、自分と同じようにしてくれなかったら、「怒り」が生ずる。「怒る」のはそれだけ真剣に仕事に取り組んでいるからである。仕事をしているとき「怒られる」のは極めて日常的であると思って欲しい。また、人間は(人間だけではなさそうであるが)失敗から学んでいく動物である。社会に出て、たくさん失敗して、たくさん怒られて、一人前になっていって欲しい。国際学部経営情報学部狭い世界観を捨て創造する自信を学び方と学ぶ習慣を身につけよう新潟国際情報大学 学報 国際・情報 平成31年4月発行 2019年度 No.1小林 満男 学部長佐々木 寛 学部長新入生に望む初心忘れず 可能性信じて
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