vol82
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本日ここに学士の学位を授与された情報文化学部176名、国際学部108名の皆さん、ご卒業おめでとうございます。ご臨席いただきました新潟信用金庫小松理事長様をはじめとする来賓の皆さま、新潟国際情報大学の役員、教職員一同心より祝福致します。併せてご家族、ご友人、関係者の皆さまにもお慶び申し上げます。皆さんは平成という元号における本学最後の卒業生であり、昨年4月に学長に就任した私にとっては最初に送り出す卒業生ということで、私自身感慨新たに本日の式に臨んでおります。新潟国際情報大学は本年創立25周年を迎えますが、これまでに皆さんを含めて6369名の卒業生を送り出して参りました。卒業生の中には既に社会のリーダーとして、あるいは中堅の働き手として活躍中の人たちも数多くおられます。皆さん方はその背中を見ながらこれまで過ごして来たものと思います。これからは皆さんが後輩たちにその背中を見せて行く役回りとなります。学位記を手にした皆さんはこれまで四年間を過ごして来たみずき野キャンパスでの日々を今どんな気持ちで振り返っておられることでしょう。楽しかったこと、苦しかったこと、試験、卒業研究、卒論という最った明るい未来に思いを致し、皆さんの胸は高揚感で溢れていることでしょう。高浜虚子にこんな俳句があります。「運命は 如何でしょう。我が意を得たりと思っておられる方も多いのではないでしょうか。でもここで少し立ち止まって振り返ってみてください。1990年代末から2000年代前半にかけて「就職氷河期」と呼ばれた時代がありました。丁度本学が設立され卒業生を送り出し始めた頃です。1998年3月卒業の第一期生は97%という高い就職率を達成したものの、その後は2010年を過ぎる頃まで80%台から90%台半ばと苦しい時期が続きました。それが今日では「人手不足」、「学生の売り手市場」と呼ばれる状況になっております。様変わりです。そうした外部的な恩恵もあり、本年も就職内定率は97%を超えております。また一方で、この先人工知能AIが人類の知能を超える転換点「シンギュラリティ」の到来は何時頃かとか、いくつかの職種はAIに取って代わられる時代が確実に到来するといった議論も巻き起こっております。有為転変の激しい世の中です。そういう世の中に皆さんは4月から船出する訳です。思いもかけない事態に直面することも数あることでしょう。これまで学んで来たことが何の役にも立たないということも起こり得るでしょう。まさに未知との遭遇であり後の難関を乗り切った安堵感、順風満帆の中これから始まる新しい日々、前途洋々と広が笑い待ちをり 卒業す」。ます。そんな時に頼りになるのは相談することの出来る「人」です。ご家族や友人、先輩、後輩、教師といった「人のネットワーク」です。多方面に広がった「人のネットワーク」、それは資産です。それは多ければ多い程、広ければ広い程いい。そうした「人のネットワーク」という資産の筆頭に来るであろうものは「同窓会のネットワーク」です。そして本学のそれは先程述べましたように今や6000名を超える資産に成長しております。先日の新潟日報の「写真今昔」という欄に平成6年(1994年)2月のアーカイブ記事が、受験会場の雰囲気を伝える写真と共に掲載されておりました。記事曰く「満席マンモス会場―― 国際情報大の前期入試が新潟市産業振興センター大ホールなど三会場で行われ、受験生が倍率15倍の壁に挑んだ」。こうした激しい競争の下で鍛え抜かれた草創期の先輩達が現在同窓会、みずき会の幹部役員として活躍してくれております。もちろんそれに続く若い諸君もここに集って中核の役員として力を奮ってくれております。同窓会は大学の力の源泉の、重要な一つです。ここに集うことによって有形無形の何らかの支援や気付きが得られることも、OB、OG間の新たな出会いも、あるいはそれによる安らぎを得られることもあるでしょう。是非同窓会を人のネットワークの拠点として、情報交換の場として存分に活用して行ってください。それと共にこの同窓会という組織を皆さんの力でより強靭なものに育てて行ってください。皆さんに続く後輩た新設された新潟ちのためにも。先程ご紹介した高浜虚子はこんな句も残しております。「一を知って 如何でしょう、皆さんにそんな自覚はあるでしょうか。そうです。思うに皆さんは『半分、青い』どころか「まだまだ青い」未完の若者です。ただそれは取りも直さず伸びしろがあるということです。この伸びしろを仮想のものではなく、具体的な実体のある成果物として、自分のもの、自分の力として行くためには、これからも学び続けて行く必要があります。皆さんにはこれからも学び続けるための土台や基礎が出来ているはずです。皆さんはそれを本学で学んだことにより獲得しているはずです。その上に、これからも学び続けることによってはじめて実体のある成果物が積み上がり始めるはずです。これもまた大きければ大きい程いい。平山前学長も「インド独立の父」マハトマ・ガンジーの「明日死ぬと思って生きなさい。永遠に生きると思って学びなさい。」という言葉をよく引用しておられました。自らの現在の姿や限界を知って、そこから伸びようとすることで一歩一歩の前進が始まります。皆さんは新しい社会を創る、新潟の、あるいはそれぞれの活動の拠点とするであろう地域の未来を創る担い手として、大いに期待されております。そのためにこれからも学び続けてください。そしてそのために卒業後も母校である新潟国際情報大学を、同窓会と併せて存分にご活用ください。訪ねて見てください。また、皆さんが今日あるはご家族、友人、先生、先輩、後輩、周囲の色々な人たちが温かく支えてくれたからこそであります。そうした皆さまの篤い支援に私からも感謝申し上げます。卒業生の皆さんにあっては、そうした方々に今日の良き日にあらためて感謝の気持ちを伝えてください。こ二を知らぬなり卒業す」。学長式辞卒業式平成30 年度■顧みての微笑み■忘れずに 活かせ人のネットワーク12 新潟国際情報大学学長 野崎 茂新潟国際情報大学 学報 国際・情報 平成31年4月発行 2019年度 No.1
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