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順不同卒業生代表答辞日本私立大学協会会長新潟県知事新潟市長新潟商工会議所会頭株式会社新潟日報社代表取締役社長株式会社アイティテラ代表取締役社長株式会社総研システムズ株式会社大光銀行東洋ワーク株式会社代表取締役社長ALSOK新潟綜合警備保障株式会社代表取締役社長株式会社日本ドリコム株式会社福田組代表取締役社長株式会社マルイ室蘭商工会議所会頭株式会社リクルート北関東マーケティング代表取締役社長大沼  淳様泉田 裕彦様篠田  昭様福田 勝之様小田 敏三様秋山  忠様代表取締役清水  保様取締役頭取古出 哲彦様須佐 尚康様廣田 幹人様代表取締役山城由紀雄様太田 豊彦様代表取締役 清水 辰雄様栗林 和徳様吉澤 克彦様すなおえました。今年もまた厳しく生きづらい時代を歩まなければならない若い皆さんを前にして同じようなことを申しあげます。記憶に新しいでしょうが昨年11月、パリで大規模なテロが同時多発的に起きました。死者百数十名、負傷者数百名にのぼる大惨事でした。そのパリ市の学校や役所など公共施設に掲げられている市の紋章を見たことがある卒業生はおりますでしょうか。16世紀から使われてきたという紋章にはセーヌ川に浮かぶ帆かけ船、帆船が描かれ、その下にラテン語で「たゆたえども沈まず」という言葉が刻まれています。その通りに読めば「強い風が吹いて大きく揺れても船は決し日増しに暖かくなり過ごしやすい季節となりました。春めいてくるとともに、私たちも一つの節目を迎えます。本日は私たちのために、このような盛大な卒業式を開いていただき、誠にありがとうございます。本日、私を含め、263名が晴れて卒業することとなりました。これまでご支援を賜った全ての方々に、卒業生を代表して厚く御礼申しあげます。4年前、期待と不安を胸に新潟国際情報大学の門をくぐったことが昨日のことのように思い出されます。時の流れは早いもので、4年間の大学生活はあっという間に感じられ、とても短かったように思います。私は入学以前にJABEEという制度があることを知り、JABEE取得を目標に勉強に励みました。また情報システムに関する知識や技術だけでなく、経営学や社会学、語学など幅広い分野についても学び、て沈ませない、という心意気や沈まない、という自信を示している」ということでしょうか。しかし、この銘文にはもっと強い決意が込められております。パリは長い歴史のなかで外敵に攻め込まれるなど多くの苦難に遭い、翻弄されてきたけれど、これらに決して屈せず乗り越えてきた誇りと精神を未来にわたって持ち続けていこう、との決意です。「たゆたえども沈まず」。パリ市民はテロに遭い改めてこの銘文をかみしめたことでしょうが、私は東日本大震災から5年がたった今月11日の日、この言葉を思い浮かべ、ご苦労されている方々に重ねました。そして卒業式の今日、実社会に船出間近い多角的に物事を考える視点と一つの分野に捉われない広い視野を身につけることができました。その中で私はシステム構築に興味を持ち、この分野をより深く学びたいと思い、研究室を決めました。卒業研究では、当初考えていた機能を実現することができないなどなかなか思うようにいかず苦労しましたが、先生方に助言をいただきながら、研究を進めていきました。自分が思うものを一から形にすることは容易ではなく、システム構築の難しさを感じるとともに、完成したときの達成感も得ることができました。この経験から、システムを263名の皆さんにも、この「たゆたえども沈まず」という言葉を贈る言葉にしたいと思います。皆さんが第一歩を踏み出す会社や組織は「即戦力」を求め期待するところもあるかも知れません。もちろん、これに応えられる人は大いに頑張って能力を発揮してほしいと思います。しかし、できないからといって、しょげることはありません。昔、慶應義塾の塾長だった小泉信三さんが「すぐ役に立たなくてよい」という教育を勧め、「すぐ役に立つようなことは、すぐ役に立たなくなる」と言われました。「まず基本を積み重ねなさい」ということかと思います。私はかつて新聞社に勤め、活字つくることにやりがいを感じ、この学びを活かすことができる仕事に就きたいと考えました。昨年、就職活動の日程が変わり、焦りや不安を感じることもありましたが、様々な企業との出会いの中で自分に合った企業を見つけることができました。大学での学びを通して、様々なことを吸収し、そして新たな目標を見つけることができ、非常に有意義な4年間を過ごすことができました。今日を節目として、私たちはそれぞれ新しい道へと進みます。私たちがこれから歩んでいく道には楽しいことだけではなく、辛いことも待ち受けているかもしれません。しかし、大学生活で得てきたことを糧にして、前を向いて諦めずに努力し乗り越えていきたいと思います。最後になりましたが、4年間ご指導を賜りました教職員の皆様、今日まで温かく見守ってくれた家族、同じ時間を共有した友人たち、その全ての方々に心より感謝いたします。本日ご臨席の皆様のご健康、新潟国際情報大学のさらなる発展を願い、私の答辞とさせていただきます。とともに50年近く働き最後は経営も手掛けましたが、会社人生では「ひとにぎりの優秀な社員がいても組織はうまく動かない」ことを実感しました。組織にとって大切なことは目立たなくても誠実にコツコツと働く人です。皆さんにはしっかり目標を持ってコツコツと仕事を積み重ねる組織人、社会人になってほしいと願っています。「急がず、緩まず、焦らず、そしてぶれない」。皆さんには、そんな社会人になってほしいと思い、この言葉を今日の卒業式の贈る言葉に付け加えて祝辞とします。新潟国際情報大学 学報 国際・情報 平成28年4月発行 2016年度 No.115〈総代〉 情報システム学科              祝電  大畠 玲那前を向いて前を向いて   新しい道   新しい道

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