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学長式辞平成27 年度人は宿命に生まれ  運命に挑み 使命に燃ゆ卒業式本日、ここに新潟国際情報大学の第19回卒業式を迎え、まず初めに卒業生諸君に心からお祝い申しあげます。「卒業おめでとう」。また、ご列席のご父母の皆様にもお祝い申しあげます。4年間家庭から支えて来られたわけで、本日を迎えられお慶びいかばかりかとご推察申しあげます。ご臨席いただきましたご来賓の方々にも御礼申しあげます。開学以来本学に格別なるご支援を賜り、改めて感謝申しあげます。卒業生諸君、本学での学生生活はいかがでしたか。今皆さんは卒業式に臨み、4年間のみずき野での大学生活のことが次々と思い出されていることでしょう。それは楽しかったことばかりではなく、苦しかったこともあったでしょう。それを乗り切って今日という日を迎えられたことに心より拍手を送ります。4年前、皆様は大きな希望に燃えて入学しました。そしてみずき野の四季は巡り、4年の歳月が経ちました。ここでのキャンパスライフは皆さんの青春そのものだったわけで、この恵まれた自然の中でスポーツにいそしみ、友人と友情を育み、そして先生方の指導のもと勉学に励んだ大学生活は、皆さんを大きく育んでくれたことでしょう。今春、みずき野から巣立ってゆく卒業生は、情報文化学科121名、情報システム学科142名、合計情報文化学部263名です。皆さんは4月からは社会人としてそれぞれが選んだ新たな途に踏み出すわけです。実社会では多くのより困難な課題にぶつかることでしょう。我が国を取り巻く現在の経済情勢は、皆さんの多くがこれから所属する企業にとって容易ではない時代でもあります。そうした時代を社会人として自立して生きてゆくのに多くの困難に遭遇することは想像に難くありません。しかも大学で学んだことはすぐ役には立たないでしょう。だから、当面皆さんは戸惑い悩むでしょう。でも、大学で学んだことは必ず役に立ちます。それは、あたかも地中に深く伸びて木を支える根のように皆さんに人生で必要な知恵を送り続けてくれるはずです。みずき野で学んだことがこれからの人生で戸惑う度に「考え、判断し、実行し、解決する力」として、生きる知恵となって皆さんを支えてくれるでしょう。その力を高め続ける努力をすることが大切です。卒業後も学び続けてください。そしていつまでも夢に向かってチャレンジしてください。私が生きてゆく拠りどころとしている言葉があります。少し大袈裟な表現で気恥ずかしいのですが、皆さんにもきっと役立つと思いますので、旅立ちのはなむけとして贈ります。それは「人は宿命に生まれ、運命に挑み、使命に燃ゆ」という言葉です。いつの時代にどの国のどんな家庭に生まれるかなどは自分ではどうにもならない「宿命」です。抗いがたい宿命を嘆くのではなく、これを受け入れながら運命に挑戦すべきであると言っているのです。夢を持ちそれに向かって努力すれば運命は開けます。何故なら運命は変えられるからです。逆に言えば運命に挑むためには夢を持ち、それを実現するためにチャレンジしてゆくことが重要なのです。その中から自分の一生を捧げたいと思うことが見つかれば、それをこの世に生を受けた使命・天命と思って命を燃やしなさい、ということを教えてくれています。使命、命を掛けてもよい人生の目標、夢に巡り合えた人は幸せです。私自身は日本が敗戦から立ち上がり、貧しいけれど成長してゆく時代にこの新潟で生まれ育ちました。この宿命の元、まだ進学率の低い時代でしたが、どうしても大たが、日本経済の成長がそれを可能にしてくれました。そして現在、これまでの経験を活かして大学で高等教育、すなわち若者の育成を使命に出来ることを幸せに思っているところです。皆さんは私の約50年後の成熟した時代に生きるという宿命を背負っています。それは私の時代よりはるかに条件は恵まれており、大学進学も過半の人がする時代です。でも豊かになれば幸福な人生が送りやすいかは別です。幸福感はかなり相対的だからです。現在のグローバル化による世界規模での競争の激化、国家間はじめ、所得層間など各種の格差の拡大などはむしろストレスの多い目標の持ちにくい社会を生んでいるかもしれません。そうした社会に船出してゆくのですから強い精神学で学びたいという夢を持ちました。今から思えばそれが私の運命への挑戦でした。貧しかった我が家では無理と思われていた夢でし卒業式に先立ち、JABEE(日本技術者教育認定機構)で認定されている、情報システム技術プログラムの修了証書授与式が行われました。平成27年度の修了生は10名で、学長から一人ずつ修了証書を授与されました。本プログラムは情報システム学科の情報と関連分野の教育内容をJABEEが認定した教育制度で、修了生は「技術士補」の国家資格が得られ、文部科学省令で定める技術士資格第一次試験免除の優遇措置が受けられます。また、情報システムを開発する技術者になるために必要な教育を受けたことが社会的評価として与えられます。本プログラムの修了生は、日本技術士会北陸本部に所属する技術士の方々から、技術者としてのキャリア形成の仕方や将来、技術士を目指す際の支援体制等に関してのガイダンスも受けています。修了証書を取得した卒業生は今年度分を含め131名となりました。新潟国際情報大学 学報 国際・情報 平成28年4月発行 2016年度 No.113          新潟国際情報大学学長 平山 征夫 JABEE認定プログラム10名の卒業生に修了証書授与

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