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 国際社会に関する知識も  感性や考え方も広く豊かに私の抱負に学んでください。先日の卒業式で大変うれしいことがありました。それは卒業生Aさんの答辞です。第一希望の大学に入れなかったAさんは、やむなく入学した本学の入学式で悔し涙を流したそうです。でもやりたかったロシア語の勉強をするうちに、先生や同僚と素晴らしい人間関係ができ、ロシア語も上達し、「卒業する今は、この大学を選んで本当に良かったと思っています」と答辞を締めくくったのです。そこに至るにはAさんの心の葛藤と並々ならぬ努力、そして同じ境遇で入学した友人との切磋琢磨があったと思います。私がこの答辞のことを皆さんにお話ししようと思ったのは、大学生活が意義深いものになるかどうかは、希望の大学に入学できたかどうかではなく、自らが大学で何を得ようと努力するかにあるからです。まれにですが「この大学には私の学びたいことがない」と言って中退してゆく学生がいます。残念なことですが、私にはその学生自身に学びたいことがないのではと思わ春寒しだいに緩み、桜の花が待ち遠しいれて仕方ありません。皆さんが学びたいこと、学ぶべきことは必ずこの大学の中にあると思って探してください。本当に無いと思った時は私に言ってきてください。今この入学式の場にも、Aさんと同じ気持ちの新入生がいるかもしれません。大学は本来自ら学びたいことを持って自ら学ぶ場です。学ぶ目的をまずしっかり持って、学びながら徐々に自分の適正と能力を見定め、自身の将来の生きる道、生き方を見出して行ってください。そうすればこの大学を選んだことに悔いはなくなるはずです。先ほども申し上げたように明日からの大学生活はこれまでとは全く違い、限りなく自由です。自由であるからこそ自己管理をしっかり行い、メリハリのある計画的な大学生生活を送ってください。それには4年間で何を修得するか目的を立て、それを達成する計画をつくって、それに向かって一日一日を有意義に過ごすことです。もう一つ、あまり入学式にはふさわしくないのですが、毎年お願いしていることが季節となりました。 本日は、私たち新入生のために、このような素晴らしい入学式を挙行していただきまして誠にありがとうございます。また、数々のお祝いの言葉、激励の言葉をいただき、心より厚く御礼を申し上げますとともに、身の引き締まる思いでいっぱいです。ここ10年あまりで爆発的にインターネットが普及し、一般の人でも容易に世界とつながることができるようになりました。その結果、世界中の人々と関わる機会が増え、社会、文化、経済などあらゆる分野で急速にグローバル化が進んでいます。実際に、社内の公用語を英語とする会社             3響は私たちが見て取れるほどに大きくなっや、小学校での英語の必修化など、その影あります。学生諸君だけではなく御父母の方々にも一緒にお願いしています。それは、こうして期待に胸を膨らませて入学しながら、途中で休退学する学生がいることです。経済的理由によるケースも増加気味ですが、何といっても勉学意欲の喪失、実質は授業についてゆけないという理由が一番多いのです。しかもよくうかがいますと、もっと早く相談してくれれば何とか休退学に至らずに済んだのにというケースもあります。私としましては極力こうした事態に至らぬよう大学も全力で皆さんの相談に乗って問題解決に努めたいと思いますので、どうか悩みを抱え込まず前広に相談してください。大学に行きたくないような状態になり始めましたら、すぐにゼミの先生か学務課の担当者に相談してください。昨年から大学としても体制強化のため新しく「キャンパスライフ支援委員会」を設置し、面談などいっそうの対応力強化に努めています。私が委員長を務めています。てきています。そのような社会の中で円滑に生きてゆくためには、国際社会に関する知識と国際共通語である英語を身に付けることが必要不可欠であると私は感じています。また、勉強だけでなく、サークル活動やボランティア活動などの課外活動にも積極的に参加し、多くの人と関わることで自分の感性や考え方を広く豊かなものにしていきたいと思っています。新潟国際情報大学での4年間で、知識・経験ともに豊富な先生方から教えをいただきながら、先輩方や仲間と日々成長していくことをお誓いし、私の抱負とさせていただきます。ご父母の方々にも家庭でお子さんと大学生活についてお話くださるようお願いします。先ほど申しましたように入学後半年くらいがポイントですのでよく見守ってください。ゼミなど欠席が続いた場合には大学側から連絡させていただきます。不幸にして途中で家庭事情の変化で勉学の継続が難しくなった場合にも相談ください。勉学意欲を持った学生が経済的事情で学び続けられなくなることは何とか避けたいと、父母会の御尽力で一定の条件を満たすケースについては支援する制度が20周年を期に発足したところです。どんな事態になっても勉学意欲は持っていてください。一緒に悩み相談に乗ってくれる人がいることを忘れないでください。明日からこのみずき野の豊かな自然の中で、充実した大学生活を大いにエンジョイし、青春を謳歌してください。卒業式では、私の友人さだまさしさんの「風に立つライオン」の話もしました。実は、さださんのフアンの人気投票では、この歌は第2位でした。第1位は意外と「主人公」というあまりみんなに歌われていないものでした。でもこの歌は「自分の人生は自分が主人公なのだから、選んだ以上精いっぱい生きよう」という静かなエールを送り、多くの人に激励を与えてきたようです。明日から皆さんも「自分が主人公」の人生をスタートしてください。本学では挨拶運動をしています。この式の後からは早速、大学内ではお互い元気よく「おはようございます」「こんにちは」と挨拶しましょう。挨拶から信頼しあう人間関係が生まれると信じてこの運動を続けています。今日から皆さんは同じ仲間として挨拶を交わしましょう。さっそうとした皆さんの大学生活ぶりを楽しみにし、学長としての歓迎の挨拶とします。新潟国際情報大学 学報 国際・情報 平成27年4月発行 2015年度 No.1新入生代表国際学部 国際文化学科藤田 健人

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