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式 辞           2第21 回 幅広い分野に興味を持ち  将来の生きる道を見出そう入学式新入生の皆さん、本学への入学おめでとうございます。本学役員、教職員等を代表いたしまして、皆さんに心からお祝いを申しあげますとともに歓迎申しあげます。本学は平成6年に開学し、昨年創立20周年を迎えたところです。従いまして皆さんは本学としては21回目の入学生となります。毎年このみずき野キャンパスに春とともに新入生を迎え、本日21回目の入学式を迎えられましたことは、本学の設立に関わりました一人として感無量であり、大きな喜びを持ってこの日を迎えました。  皆さんはこれからこのみずき野キャンパスで4年間の大学生活を送るわけですが、期待と不安で胸がいっぱいのことと思います。でも心配はいりません。私どもは教職員挙げて皆さんがスムースに大学生活に溶け込めるようサポートしますので、分からないことは遠慮なく質問し、一日も早く大学生活に慣れ、有意義な日々を送れるよう体制を整えてください。たな歴史を、皆さんと一緒に刻むわけですが、本学は幸い多くの先輩教職員、卒業生たちの努力もあって、この20年という比較的短い歴史にもかかわらず、地域から信頼される存在として評価されるようになりました。こうした伝統を皆さんに引き継いでいただき、さらに頼られる存在になるよう期待をしているところです。また大学としましては、20周年を機に種々の大学改革を実施、国際学部を新設し本年度から2学部制にし、さらなる発展のための体制を整えたところです。また、より充実したキャンパス生活を過ごせるよう、皆さんの活動拠点としての学生会館を、記念事業として現在建設中です。完成後は大いに活用ください。本年は情報文化学部情報システム学科183名、国際学部国際文化学科117名、情報文化学部情報文化学科編入学1名、合計で301名の新入生を迎えました。私をはじめ教職員一同、建学の理念であります「わが国の社会、文化についての認識と理解を基礎に、国際化、情報化の社会の中で役に立ち、能力があり、意欲があり、人間性豊かな人物を育成する」という目的に向かって、皆さんが日夜勉学に勤しみ、人格・人間形成に励むことができるよう最大限サポートしてまいりますので、皆さんも全力でぶつかってきてください。入学式に当たり学長として皆さんに少しお願いをしたいと思います。大学は高等教育の場です。皆さんは先ほど述べました本学の建学の精神等に共鳴し国際文化、語学、情報システム、経営情報といった専門分野に興味を抱いて、高等教育を本学で学ぶことを選択したわけです。私たちは皆さんのそうした希望に応える責任がありますが、皆さんにもご自分の目的に向かって努力する責任があります。学生の本分は学ぶことです。私たちは全力で皆さんの教育指導に当たります。でもなんといっても学ぶのは皆さんです。最初のお願いは当たり前のことですが「しっかり勉強してください。入学したら早期に勉強する習慣を身に付けてください」ということです。大学では高校までのように知識を得るために学ぶだけではなく、知識を生かすこと、得た知識をもとにそこから真実を見出すべく考えることが求められます。考える訓練が思考力となって、判断力も磨いてくれます。一般基礎知識と専門知識をバランスよく学び、深い専門知識とともに、人間性豊かな人格形成にも努めることも忘れないでください。大学では自ら主体的に学ぶことが求められます。高校のように決められた授業スケジュールに従って学ぶのではありません。何を学ぶかカリキュラムをつくるのは自分です。しかも選んだ授業に出るか休むかも自己判断です。これまで見ていますと大学入学後最初の半年間に自ら学ぶという生活習慣を身に付けることが何よりも重要です。それができないと授業についてゆけず、欠席しがちになってしまいます。最初の半年間に学ぶ習慣をきちんと身に付け、学ぶことの楽しさを知ってください。私は「大学は魚に泳ぎ方を教えるところだ」と言っています。もともと泳げる魚に泳ぎ方を教えるのは、より正しい泳ぎ方を教えることで、魚が自らの力でより力強い泳ぎ方を身に付けるためです。もともと皆さんは学ぶ力を持っているのです。皆さんのその力を最大限引き出すのが大学の役割だと思っています。入学後極力早く泳ぎ方の基本を身に付け、自分で泳ぎ始めてください。もうひとつのお願いは「できる限り幅広い思考のできるよういろいろな問題に関心を持ち、自分の考えを持つようにしてください」ということです。そのトレーニングが人間としての思考力を深めると同時に、相手の意見をも受け入れる包容力を身に付けさせてくれます。包容力のある人間性豊かな人格を形成していくことが、信頼される人間になる条件です。そのためには深く専門分野を学ぶことと同時に幅広く哲学、文学、美術、音楽など思考と感性を豊かにしてくれる分野にも大いに興味を持って取り組んでください。クラブ活動や、先生や友人との人間関係からも多くの事を得るでしょう。積極的に部活や友人づくりにも取り組んでください。入学式の最後に本学の校歌が歌われますが、その中に「あこがれを空に描いて いう歌詞があります。まさに本学で皆さんは豊かな人間性を育み、友と互いの夢を語り、その実現のために学んでください。先日の卒業式で、卒業生を送る言葉として私の尊敬している経済学者ソースティン・ヴェブレンの一九二九年の世界恐慌を亡くなる直前予告した言葉を紹介しましたが、ヴェブレンはまた優れた教育者でもありました。最晩年に彼の教育論に賛同した人たちの支援で、彼はニューヨークに自分の理想とする大学を創りました。それは学位もカリキュラムの縛りもない全く自由に学生が自分の学びたいものを選ぶという大学でした。先生は本人の特性、能力等を見ながら学ぶ内容や学び方を指導し、疑問に答えてゆくという役割です。この大学は結果的にはあまりうまくゆかなかったようですし、現在ではこうした大学を創ることは日本では認められませんが、本来のあるべき高等教育の姿を示しているように思います。大学は本来は自ら学びたいことを強く持って、自ら学ぶ場なのです。皆さんはこの大学で自分の学びたいことと自分の適正と能力を見定めながら、自身の将来の生きる道、生き方を見出していってほしいのです。「学ぶ目的をしっかり持ってほしい」友と歩もう 夢創る道を」と新潟国際情報大学 学報 国際・情報 平成26年4月発行 2014年度 No.121年目の新たなスタートを切る本学の新新潟国際情報大学学長 平山 征夫平平成成  2626年年度度

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