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 高い志と心を豊かに     「大いなる人」になろう平成25 年度学長式辞卒業式本日、ここに新潟国際情報大学の第17回卒業式を迎えるに当たり、卒業生諸君に心から「卒業おめでとう」とお祝い申しあげます。また、ご列席のご父母の皆さまにもお祝い申し上げます。4年間家庭から支えられ本日を迎えられたわけで、お喜びはいかばかりかと拝察申し上げます。ご臨席いただきましたご来賓の方々には御礼申し上げます。新潟国際情報大学の役員、教職員一同を代表しまして皆さまに御礼とお祝いを申し上げます。卒業生の皆さんは今、卒業式に臨み、4年間の大学生活の思い出が走馬灯のように巡り感動で胸がいっぱいのことと思います。同時に4月からの社会人としての新たなスタートへの期待と不安も去来していることでしょう。4年前、皆さんは大きな希望と勉学意欲に燃えて本学に入学してきました。そしてみずき野の四季は巡り、4年の歳月が経ちました。みずき野でのキャンパスライフは如何でしたか。この恵まれた自然の中でスポーツにいそしみ、友人と友情を育み、そして先生方の人間味溢れた指導のもと勉学に励んだ大学生活は、皆さんが最も輝いていた青春の尊い記念碑になることでしょう。今春、みずき野から巣立ってゆく卒業生は、情報文化学科123名、情報システム学科164名、合計情報文化学部287名です。皆さんの多くは4月からはそれぞれが選んだ企業等で社会人としての新たな人生をスタートするわけです。実社会では大学時代とは違う多くの困難にぶつかることでしょう。プロの職業人として仕事で報酬を得るということは、それほど易しいことではありませんし、現在の世界の経済情勢はそれが容易でない時代でもあります。そうした時代を社会人として自立してゆくのに、大学で学んだことはすぐ役には立たないでしょう。だから、当面皆さんは迷い悩むことでしょう。でも、大学で学んだことは必ず役に立ちます。本学で身につけた「学び、考え、判断し行動する」能力は、地中に深く伸びて木を支える根のように、人生で必要な栄養を送り続けてくれるはずです。みずき野で学んだことが社会で悩む度に解決の力として、生きる知恵として皆さんを救ってくれるでしょう。そう信じて卒業後も学ぶことを続けていってください。長くデフレ経済化から低迷していた日本経済も「アベノミクス」による超金融緩和政策や、財政・成長戦略政策への期待から円安・株高が進んでいます。雇用情勢の好転は皆さんの就職活動に少しプラスになったかもしれません。でも長く日本銀行に奉職していた私には、中央銀行がマネーの供給を増加させることで経済を簡単に回復させようとすることには疑問を抱かざるを得ません。デフレを貨幣問題として金融緩和で対応することは、一時的心理効果は生じても、本当の経済成長が働く人の人数と生産性、それに設備投資される資本量と技術進歩がもたらすものであると信じているからです。世界経済も米国の金融緩和効果などから回復過程にあるように見えますが、中国等の成長が鈍化してきていることや、欧州国家債務危機が奇妙な静けさの中で基本的解決対応がされないまま忘れかけられていること、金融問題として中国のシャドウ・バンキング問題という新たな火種が生じていること、そして何よりも近年最大の経済事件であった「リーマンショック発生に伴う世界不況」の原因となった巨大な投機マネーが放置されたままであること、ショック発生を機に見直されるべき現在の「金融資本主義」について全く議論されずに、TPP議論など「自由な競争が正義」という経済論理だけが生き残って、再び競争による成長を目指していることは、これから人類が地球と調和していかなければならない必須条件の中でこの選択で良いのかと危惧しています。永年、政治・経済界で生きてきた私には、現在の世界の仕組みが「より多くの人々をより幸せにする」べく創られた仕組みではなく、より利益をあげるのに適した仕組みであるからでしかなく、国益や企業益が優先されるシステムであることを知らされてきました。ですから皆さんがこれから生きてゆく時代をみると、必ずしも安心できる平穏な時代には見えません。でも皆さんはそうした時代を眺めてたじろいでばかりはいられません。私は最近ヨーロッパの中世の歴史に興味を持って調べていますが、長い人類の歴史を振り返れば、問題の無い時代なんてありません。闘いばかりしていた人類の歴史ですが、いつの時代でも時代を切り拓いていったのは若者です。若者は溢れんばかりの勇気をもって、年長者の知恵を助けにしながら、歴史を乗り超えていったのです。これからもそうやって立ち向かって行くしかないのです。時代に臆病にならず、勇気と希望を持って立ち向ってください。卒業される皆さんに毎年申し上げていることですが、卒業後も自分の人生の夢を何時も持って、その実現に向かってチャレン13新潟国際情報大学 学報 国際・情報 平成26年4月発行 2014年度 No.1 卒業式の当日には、JABEE(日本技術者教育認定機構)認定情報システム技術プログラムの修了証書授与式も行われました。 平成25年度の同プログラムを無事修了したのは10人。学長が一人一人に修了証書を授与して努力をたたえ、資格を取得し実社会で活躍するよう期待し激励しました。 このプログラムはJABEEが認定する教育制度で、情報システムを開発する技術者になるために必要な教育を受けたという社会的評価が与えられます。修了生は文部科学省令で定める国家資格である「技術士」の第一次試験を免除される優遇措置が受けられます。また所定の登録を行うことで「技術士補」の資格を取得することができます。 これで本学情報システム学科を卒業し修了証書を取得した学生が合わせて111人となりました。         新潟国際情報大学学長 平山 征夫JABEE認定プログラム10人に修了証書授与「技術士」目指して社会へ

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