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311311311開学20周年記念シンポジウム「21世紀 生〉の条件――『格差』と『差別』を越えて」は11月3日、ANAクラウンプラザホテル新潟で開催されました。冒頭、酒井直樹氏(米コーネル大学)の基調講演情報文化学科主催による東アジア〈共は、本シンポジウムのテーマ全体を貫くもっとも重要な問題提起となりました。そこでは、閉塞する日本社会と東アジアの困難な状況が、アメリカ帝国およびその「下請け帝国(=日本)」の凋落の文脈から分析できること、また、現在の困難な課題を克服するためには、われわれ日本人が過去に目をふさぐのではなく、日本軍慰安婦問題に代表される「恥」の問題と勇気をもって対峙することが重要であることなどが論じられました。午前と午後とに分かれて開催された二つのセッションでは、各国提携校から、A・シュヌルコ氏(ロシア極東連邦大学)、唐利国氏(中国北京師範大学)、趙顯龍氏(韓国慶熙大学校)。オーストラリアからはG・マコーマック氏(オーストラリア国立大学)、また国内からも徐勝氏(立命館大学)にご登壇いただき、加えて本学からも、小澤治子、最後は平山征夫学長の挨拶髙橋正樹、區建英、神長英情報システム学科は「新潟における経営革新の実践を考える―人間中心の情報と経営の実践―」と題して記念シンポジウムを11月3日、新潟日報メディアシッ輔、越智敏夫各氏、私(佐々木)が登壇し、相互に活発な議論がなされました。各国の格差や差別の状況やその原因、そしてそれを克服するための具体的な方途が議論されました。またで締めくくられました。プ日報ホールにて開催いたしました。目的の一つは新潟を支える企業の活性化の一助に資するためでもあります。基調講演としては、世界的に高名な野中郁次郎氏(一橋大学名誉教授)より「知的機動力経営」と題して、知識創造による組織・フロアからも本学科ほぼすべての教員による質疑や発言があり、きわめて充実したシンポジウムになりました。情報文化学科は、2014年度より「国際学部」へと新たな歩みを始めますが、今回のシンポジウムは、ポジウムの開催においてごこの新学部が21世紀に東アジアの共生のために何をなすべきであるのか、その果たすべき課題も再確認されたと思います。招待講演としては、産業界から、トヨタ自動車の鈴木浩佳氏から「品質は工程で造りこむ」、元NTT東日本取締役の潮田邦夫氏から「クリエイティブワークスタイル」というテーマで講演をいただき、「知的機動力経営」の貴重な実践例を紹介していただきました。また、学会からの招待講演として、北陸先端科学技術大学院大学の橋本敬氏より「サービス・オートポイエーシス」と題して、組織を活かす新たなシステム論を紹介していただきました。会場には新潟の企業・官公庁・大学の関係者より176人の参加をいただき、盛況で実りあるシンポジウ人材の活性化についてユーモアを交えて講演をしていただきました。丸一日をかけ、しかもかなり専門的な内容であったにもかかわらず、会場には、本学学生や一般の市民の方々にも多数ご参加いただき、盛会のうちに終えることができました。本シン協力、ご尽力いただいた本学内外の方々に、心よりお礼を申し上げます。(情報文化学科長・教授 佐々木寛)ムとなりました。来場者アンケートによれば「野中先生のような著名な方が新潟で講演する機会をつくってくれた記念事業に感謝しています」、「テーマに基づいて一括した講演で聴きやすかった」などの記載が多数ありました。休日にもかかわらず出席していただいた方々に、満足してもらえたシンポジウムになったと思っています。また、講演後には「講演者の経営手法を採り入れたいので、仲介を依頼したい」などとの問い合せもありました。私たちが目的とした「新潟を支える企業の活性化の一助に資する」が現実に達成されつつあり、合わせて本学の新潟での存在感のアピールにも資することができたと思っています。(情報システム学科・教授 上西園武良)新潟における経営革新の実践を考える―人間中心の情報と経営の実践歴史と勇気を持って対峙を   新「国際学部」の課題も再認識知的機動力をどう活かす   地元企業の活性化の一助にも講 セッションⅠ 演               4セッションⅡ新潟国際情報大学 学報 国際・情報 平成26年1月発行 2013年度 No.4酒井 直樹「21世紀東アジア〈共生〉の条件」コーネル大学ゴールドウィン・スミス記念基金教授。比較文学、アジア研究学、歴史学部所属。グローバルな「格差」と「差別」の諸相と展望報告①A・シュヌルコ(極東連邦大教授 社会学)   「ロシアの格差・人権問題」報告②G・マコーマック(オーストラリア国立   大教授 日本研究)「東シナ海から見た   東アジア転換期」報告③髙橋正樹(新潟国際情報大教授 国際政   治学)「東南アジア社会の格差問題と民   主化への壁」討論①酒井直樹(コーネル大教授 日本政治思想   史)討論②佐々木寛(新潟国際情報大教授 国際政治   学・平和研究)境界=海を越える〈共生〉の試み報告①唐利国(北京師範大副教授 歴史学)   「中国の格差問題を越える歴史的な知恵」報告②趙顯龍(慶熙大教授 言語学)   「疎通のための文化教育」報告③神長英輔(新潟国際情報大准教授 歴史学)   「生活文化圏としての環日本海」討論①徐勝(立命館大特任教授 比較人権法)討論②越智敏夫(新潟国際情報大教授 政治学)知的機動力経営〜Maneuvering Capability in Knowledge-based Management〜野中郁次郎 (一橋大学 名誉教授)品質は工程で造りこむ〜スタッフにおける「自工程完結」の推進〜鈴木浩佳 (トヨタ自動車 TQM推進部 室長)クリエイティブワークスタイル〜知識創造活動〜潮田邦夫 (NTT東日本 元取締役)サービス・オートポイエーシス〜組織を活かす新たなシステム論〜橋本敬(北陸先端科学技術大学院大学 教授)講 演開学20周年記念 公開シンポジウム開学20周年記念 公開シンポジウム開学20周年記念 公開シンポジウム(2)21 世紀東アジア〈共生〉の条件―「格差」と「差別」を越えて

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