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誠氏新潟中央キャンパス  れ。東京藝術大学大学院美術研究芸術家。1965年、新潟市生ま科修了。国内外の展覧会に多数参加。作風、テーマは日本のわびさび、エロ、グロから真摯な社会問題まで。文芸評論家。1956年、新潟市児童書等の編集者を経て、『妊娠生まれ。成城大学経済学部卒業。小説』(ちくま文庫)でデビュー。各紙誌で文芸評論や書評などを執筆中。ドキュメンタリー作家。1956部卒業。テレビ番組制作会社勤務年、広島県生まれ。立教大学法学を経て独立。以降、報道系、ドキュメンタリー系の番組を中心に、数々の作品を手がける。211パネリスト◆会田 ◆斎藤 美奈子氏◆森 達也氏ては変かもしれませんが、開催までの経緯をお話しします。その方がこの企画の意味について伝わると思われるからです。方々を対象として行う開学記念イベントには特定のパターンがあります。いわゆる有名どころによる講演会です。またそういうときに呼ばれる方々にも定番があシンポジウムの報告とし通常、大学が一般市民のります。尼僧でもある小説家、百歳を超える現役医師、るさ、闊達さを世間に伝えあるいは「ママ」と敬称つきで呼ばれる教育評論家などです。そういう人たちの講演に問題があるわけではありません。面白いでしょうし、何らかの役立つ逸話も用意しているはずです。しかし本学の場合、それでいいのかという疑念が生じました。そういう(他大学には失礼ながら)安易な講演会が本当に地域の人々に役立つのか。またそれは本学学生の間に漂う独特の明るのか。そういうことを考えると、先に書いたような定番講演会はどうも不適切な気がしてきました。せっかく時間と費用をかけるのであれば、新潟という地域にとって意味があり、なおかつ本学の自由な学風(というほど大げさではないかもしれませんが)を伝えるものにすべきだと思い至りました。その結果、会田誠氏(芸術家)、斎藤美奈子氏(文芸評論家)、森達也氏(ドキュメンタリー作家)という、は自由な大学である、とい各分野の最前線で活躍中であり、なおかつ新潟に縁のある方々による公開シンポジウムを企画しました。結果的には、想像以上に刺激的だった討論、予定数を超えた満員の聴衆、その政治がつねに変化しているということには誰でも気づいています。しかし、その変化がどういうもので、さらにはその変化が私たち市民の生活に何をもたらすかについてはよく分からないというのも事実だと思います。そこで本講座では1990年代の政治改革以降、小聴衆からの対応しきれないほどに積極的だった意見と質問(実はこれは新潟では珍しいことです)などから、義について、特に政治にお本企画は成功だったと自画自賛したいところです。このイベント開催のもう一つの意義は、こうした企画があっさり通るほど本学うことを社会に提示できたことでもあると(ひそかに)思っています。ご来場、ありがとうございました。(情報文化学部長・教授にしました。初回では講座全体の趣旨説明をかねて、政治と市民の基本的な関係について議論されました。その後の各講師の方々にも自由に語っていただきましたが、それぞれ独自の視点から「市民にとっての良い政治」について触れていただくよう企画段階から依頼していました。2回目の講義ではフラン越智敏夫)治権力が持つ折衷的な性格年の政治変動を前提に、その変化をどのように理解すべきかということをテーマス文学者の海老坂武氏が〈抵抗〉の視点から20世紀の政治における市民運動の意ける少数者と敗北について熱く語られました。続いて評論家の呉智英氏は政治における〈価値〉という難問に対して、丸山眞男やカール・シュミットを引用しながら、独自の口調で分かりやすく回答されました。〈権力〉という視点から民主政治の特質について語った政治学者の杉田敦氏の講義では、政が説明されつつ、市民の責任という私たちに深くかかわる議論となりました。最終回では平山征夫本学学長が新潟県知事としての践〉の視点から政治を語りました。政治における決断について当事者ならではの指摘が多く示され、受講者の関心を高めることに寄与したと思います。以上のすべての講義において質疑応答の時間が設けられ、毎回活発な意見交換ができたことは、市民と政治の関係について問いなおす連続講座としては理想的だったといえます。受講していた多くの本学学生にも良い刺激になりました。(情報文化学部長・教授越智敏夫)新潟と国際と情報について政治の再発見―市民にとって良い政治とは想像以上に刺激的だった討論  予想を超す満員の聴衆と意見交換〈抵抗〉〈価値〉〈権力〉〈実践〉   4つの視点から変化を問い直す10周年記念講座12年の経験もふまえ、〈実                3新潟国際情報大学 学報 国際・情報 平成26年1月発行 2013年度 No.4泉東日政本治大、政震権災交な代ど、、〈こ3・こ1120〉 開学20周年記念 公開シンポジウム開学20周年記念 公開シンポジウム開学20周年記念 公開シンポジウム(1)新潟ゆかりの3氏おおいに語る

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