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学長告辞 社会人として信頼    される人間になれ理事長祝辞 自らの人生を   明るく豊かなものに平成20 年度本日、私たち新潟国際情報大学は12回目の卒業式を迎えました。卒業生の皆さん、ご卒業おめでとう。心よりお祝い申し上げます。ここに多数のご来賓の方々、ご父母の皆様にご臨席賜り、このように盛大に卒業式を挙行できますことは、私ども大学関係者にとりましても大きな喜びであります。それ以上にこのめでたい日を迎えられました卒業生の皆さん自身、そしてご父母の皆様のお喜びはいかばかりかと思います。皆様に対しまして、新潟国際情報大学の役員、教職員一同を代表しまして心から祝福申し上げます。高校を卒業して希望を胸に本学に入学してから4年が経過しました。その間、みずき野での学園生活では色々なことがあったと思います。今、皆さんの胸には多くの思い出が去来していることと思います。しかし、大学時代の勉学、クラブ活動、友との友情などは単なる良い思い出としてだけではなく、皆さんの成長に大きな役割を果たしてくれたことに将来気がつくでしょう。その意味でも本学での経験、思い出はこれからも大切にしてください。この春、みずき野の学園を巣立ってゆく卒業生は、情報文化学科114名、情報システム学科167名、合わせて281名です。このように若さ溢れる前途有為な若者を、ふるさと新潟をはじめとする地域社会に送り出せますことは、大学人としてこの上ない大きな喜びであります。卒業生の皆さんは、自分自身の希望とご父母や社会からの期待を感じながら今日の式を迎えられたことと思います。人生の新たな出発、社会人としての門出に際し学長として贈る言葉を述べたいと思います。近年、本県では平成16年、19年と地震など大きな災害に遭遇しました。そして昨年秋には世界的なバブル崩壊から百年に一度という経済的変動が発生しました。皆さんの大学生活も必ずしも平坦なものではなかったことと思います。講義・語学・演習などを次々にマスターしていくことは容易なことではなかったでしょう。その間、クラブ活動、大学行事などもあって大変だったこともあったでしょう。でもそれらを乗り越え卒業資格を獲得されたことは、これからの人生に大きな自信になることでしょう。先ほども申し上げたように苦労したから自らの力になり、良い思い出にもなるのでしょう。このみずき野のキャンパスで過ごした青春の日々の夢を、皆さんのこれからの社会人とし新潟国際情報大学第12回卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。ご卒業を喜び、社会への船出の希望に満ちている皆さんの面持ちは、私には大変眩しく見えます。ところで、4年前の皆さんの入学式の際には、何事にも自らの意思を持ち、自ら発言し、実行し、ての人生の夢に繋げてください。そのためには、何よりもまず大学で学んだことをベースに社会人として必要な自立心や自主性を確立しなければなりません。大学で身につけた専門知識に磨きをかけ国際・情報のプロとして実社会で活躍するベースを確立するとともに、仕事上のみならず社会人として判断するに際して、自らの考えで結論を出し、人々に説明し理解してもらう力をつけなければなりません。その際には、自らの判断が正しいか、適切であるか、相手に対する説明に説得力があるか、などが問われます。こうした判断・説明・理解という行為を通じて社会人として多くの人たちから信頼される人間になることが大切です。広く人々に信頼される判断・行動力を身につけるには物事の本質を正しく見極めることが重要になります。そして問題の本質を見抜き、理解したうえで深い洞察力で先行きを考え判断することが極めて重要になります。正しい判断をすることは、仕事をする上でも人生を送る上でも大切ですが、それ以上に重要なことはそうすることで多くの人々に信頼される人間になるということです。信頼自らの価値観を持ち、自らの発言、行動に責任を持つことを、本学での学生生活の規範としてほしいと申しました。おそらく皆さんの一人ひとりにこの心構えが築かれていることと思います。この心構えがあれば、これからの人生で自らを嘆くことも無く、意義ある人生を送ることができるでありましょう。期待しております。 そして、これからは漫然とした生活を送るのではなく、生涯学習と申さないまでも、少しずつでも自らの知識や技能を高めるよう心掛けてください。自主性や積極性も無く、知識や技能に進歩が無く、勤務先や自分の仕事で後輩の後塵を拝することにならぬよう、自らの人生を明るく豊なものとするよう心掛けてください。老婆心ながら皆さんの父親のつもりで申し上げました。桜の花咲く4月には、皆さんは一社会人として将来への期待に溢れ、緊張した面持ちで活躍していることと存じます。あらためて皆さんのご卒業を心からお祝い申し上げますと共に、前途に幸多かれと祈り、皆さんを送る言葉と致します。される人間になることは、あらゆる人生の目的になるべきことだと思います。私は知事という役職をまっとうしようとした時、そのことを強く感じました。もうひとつ、社会人になる皆さんに私が大切にしてきた心構えをお話します。それは「大いなる人」になるということです。今から60年も前の小学校6年生の夏休みに、それまで見たこともないような大きな入道雲に会いました。じっと見ていたら少年の私に雲が何か語りかけているように感じました。何を言っていたのだろうとずっと考えていましたが、それから40年もたって解答に出会いました。それはある詩に出会ったからです。「広い野原に突如巨人のような雲が現れ、少年に厳しくも言った。『子よ、大いなる人になれ』と。雲はあっという間に風で消えてしまったけれど、50歳を過ぎた今も啓示となって残っている」という詩です。この詩にある「大いなる人になれ」という言葉を見たとき、あの少年の時、雲が言っていたことはこれだったのだと確信しました。でも「大いなる人」という意味はなかなか解釈が難しく、この詩に出会ってからずっと考えていますが、いまだこれだという結論には至らずにいます。でも少なくとも「心の広い愛情いっぱいの人になれ」「他人に優しい人になれ」と言っているのではないかと思っています。そうだとすれば、皆さんにも「雲の教え」を門出に贈りたいと思います。私はもっと早く『大いなる人になる』ことを人生の目標にできればよかったと思っていますが、皆さんは私の話を参考に社会人になるのを機に、人生の目標にされるなら私にとってこれ以上ない光栄です。心の広い人になることは、また先ほど申し上げた「人々から信頼される人間になる」ことに強く通じています。大いなる心が大きいほど多くの人から信頼されることになると信じています。社会人としての人生は、決して平坦ではないでしょう。むしろ茨の道だらけかもしれません。皆さんが生きるこれからの世界は、経済的には私の時代よりもはるかに豊かになっていますが、「自己を確立し、自分のことは極力自己責任で行う」「でも困っている人がいればお互い助け合う」という人間社会の基本ルールが忘れられ、勝ち負けにこだわる、より生きにくい競争社会のように私には見えます。だからこそ人間的に生きること、学校法人 新潟平成学院理事長              新潟国際情報大学長新潟国際情報大学 学報 国際・情報 平成21年4月発行 2009年度 No.110武藤 輝一平山 征夫 卒卒業業式式

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