なまもの2010年


瀬戸内国際芸術祭2010 (2010年8月29日)香川県
内子座文楽
劇団青い鳥スモールワールド「ちょっとうれしい」 (2010年7月4日)小劇場・楽園(東京・下北沢)
クリスチャン・ツィメルマン ピアノリサイタル (2010年6月6日)りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)コンサートホール ショパン:ノクターン第5番 嬰ヘ長調 Op.15-2 Chopin: Nocturne in F-sharp major, Op.15-2 ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.35 「葬送」  Chopin: Piano Sonata No.2 in B-flat minor, Op.35 ショパン:スケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31 Chopin: Scherzo No.2 in B-flat minor, Op.31 ショパン:ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58  Chopin: Piano Sonata No.3 in B minor, Op.58  ショパン:バラード第4番 ヘ短調 Op.52 Chopin: Ballade No.4 in F minor, Op.52
5月文楽公演 (2010年5月24日)国立劇場小劇場(東京・三宅坂) 第一部 祇園祭礼信仰記(ぎおんさいれいしんこうき)  金閣寺の段  爪先鼠の段 碁太平記白石噺(ごたいへいきしらいしばなし)  浅草雷門の段  新吉原揚屋の段 連獅子(れんじし)
日本の自画像 写真が描く戦後 1945-1964 (2010年5月4日)新潟県立近代美術館(長岡市)
平城遷都1300年記念 奈良の古寺と仏像 會津八一のうたにのせて (2010年5月4日)新潟県立近代美術館(長岡市) 中宮寺 菩薩半跏像(伝如意輪観音)<特別公開5月25日(火)〜6月6日(日)>
ラ・フォル・ジュルネ新潟「熱狂の日」音楽祭2010【215】 アブデル・ラーマン・エル=バシャ(ピアノ)、レジス・パスキエ(ヴァイオリン)、シンフォニア・ヴァルソヴィア、ジャン=ジャック・カントロフ(指揮) (2010年5月1日)りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)コンサートホール J. S. バッハ:ヴァイオリン協奏曲 ホ長調 BWV1042 J. S. バッハ:管弦楽組曲第3番 二長調 BWV1068 ショパン:演奏会用ロンド ヘ長調 op. 14「クラコヴィアク」
ラ・フォル・ジュルネ新潟「熱狂の日」音楽祭2010【224】 タチアナ・ヴァシリエヴァ(チェロ)、プラメナ・マンゴーヴァ(ピアノ) (2010年5月1日)りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)劇場 シューマン:幻想小曲集 op. 73 ショパン:チェロ・ソナタ ト短調 op. 65
ラ・フォル・ジュルネ新潟「熱狂の日」音楽祭2010【243】 トリオ・ヴァンダラー(ピアノ三重奏) (2010年5月1日)新潟市音楽文化会館ホール ショパン:ピアノ三重奏曲 ト短調 op. 8 C.P.E. バッハ:トリオ・ソナタニ長調Wq151
趙博『百年目のヤクソク』新譜CDお披露目ライヴ (2010年4月16日)鳥の歌(新潟市)
カフカの「変身」 (2010年4月13日)りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)劇場
The Barnes Foundation (Mar.25, 2010) Merion, PA, USA
Picasso and the Avant-Garde in Paris (Mar.24, 2010) Philadelphia Museum of Art
春山登山展 (2010年3月20日)APARTMENT Design Store, 蔵織, とミソ(新潟市)
人形浄瑠璃 文楽 (2010年3月15日)新潟市民プラザ 昼の部 14:00〜 「卅三間堂棟由来」平太郎住家より木遣音頭の段 「本朝廿四孝」十種香の段・奥庭狐火の段 夜の部 18:30〜 「絵本太功記」夕顔棚の段・尼ヶ崎の段 「日高川入相花王」渡し場の段
Noism1:Nameless Poison ‐ 黒衣の僧 (2010年3月2日)りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館)スタジオB
初春文楽公演:国立文楽劇場開場二十五周年記念 (2010年1月3日)国立文楽劇場(大阪・日本橋) 第一部 二人禿 彦山権現誓助剣  杉坂墓所の段  毛谷村六助住家の段 壺坂観音霊験記  土佐町松原の段  沢市内より山の段 第二部 伽羅先代萩  竹の間の段  御殿の段 お夏/清十郎 寿連理の松  湊町の段 日高川入相花王  渡し場の段



内子座文楽
午前の部
ひばり山姫捨松「ひばり」は旧字体 (ひばりやまひめすてのまつ)
 中将姫雪責の段
桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ)
 帯屋の段

2010年8月22日
内子座(愛媛県内子町)

いろいろ事情があって、新潟と松山を幾度も往復した夏でした。で、たまたま日程があい、念願の内子座文楽。妻は二度目とのことで。

人形は吉田文雀、三味線は鶴澤清治という人間国宝、太夫は切場語りの豊竹嶋大夫という方々が出演。年に一度の内子座文楽を楽しみにしている多くの文楽ファンの期待に応えようと皆さん、気合も入っていたのでしょう。とてもよい舞台でした。特に愛媛出身の嶋大夫さん、姿勢もきれいで声もとおる。お年をまったく感じさせず、すばらしい。

またもうおひとりの愛媛出身(というよりも渓筋なので内子の近くのご出身。ちなみに私もそのまた近くの卯之町で育ちました。どうでもいいことで申し訳ない)の吉田和生さんも「帯屋の段」のお絹を情感あふれる動きで操っておいででした。おそらくは文雀さんが遣われた中将姫の左も和生さんだったのではないかと思うけれど、そうなると和生さんは、今年の舞台のほとんどすべての時間、舞台に立っていたのではないか。頭が下がります。

演目はどういう経緯でこうなったかはわかりませんが、「継母による継子いじめ2連発」。その歴史版と人情版。ただ、話としては中将姫のほうはあまりに残酷。舞台そのものは良かったと思うけれど、ストーリーにはちょっとついていけんかった。

「帯屋の段」のほうは好きな演目なのでじゅうぶん楽しみました。前半は清治さんの三味線で呂勢大夫さんが語るチャリ場。楽しゅうございました。また、ほとんど微動だしない帯屋の長右衛門を勘十郎さんが丁寧に操ってました。

こういうレベルの高い舞台を内子座のような小さく、また趣もある場所で見る身の僥倖をまた噛みしめていました。それから、内子座の桟敷席は一枡6人という、ちょっときつい枡席だったのですが、僕らが座った枡は1人分は空席で、もうおひとりが途中でお帰りになったので、4人でゆったり見ることができました。普通だとあの面積に6人座って、文楽を3時間見るのはちょっときつい。なのでこれは本当にラッキーだった。

また、日本中が灼熱のこの夏、内子も盆地でさらに暑い。ところが公演前後に内子座のまわりで観客ときさくに挨拶を交わす人間国宝、切場語り。他の技芸員の方々もファンサービスにつとめてらっしゃいます。暑い中、ほんとにえらい。おそらくはこの内子での文楽を準備するには相当のご苦労が内子町、文楽協会、その他の団体の方々にあったのだろうと思います。良い舞台を見せていただいて、本当にありがとうございました。将来、この時期に愛媛にいたら、また行きます。

あ、最後にひとつ疑問。上演前の解説を咲甫大夫さんがしてましたが、もしかしたら彼はこの解説のためだけに内子まで来たのでしょうか。そうだとしたら、それはちょっとかわいそう、というかもったいないというか。不思議。


越智の表ホームページへ
越智の裏ホームページへ