2011年度ゼミナール紹介


自主ゼミ  毎月第4火曜日・午後6時半〜8時半(クロスパルにいがた・新潟市生涯学習センター)
新潟市民政治研究会

これは一般市民、現役学生、OB/OGなど、つまりはどんな人でも参加可能なゼミナールです。「2002年度にいがた市民大学」において開講された「政治を市民の手に! - 21世紀の政治学10講(講座コーディネーター:高畠通敏、越智敏夫)」を一年間にわたって受講された方々によって自主的に企画されました。ですからこれは<越智ゼミ>ではありません。しかし告知の意味もあってここに書いておきます。

テーマは「市民政治」となりました。これまで読んできたのは以下の書籍です。
丸山真男『増補版・現代政治の思想と行動』未来社、1964年
鶴見俊輔『戦時期日本の精神史』岩波書店、1982年
高畠通敏『現代における政治と人間――政治学講義』岩波書店、2005年
丸山真男『日本の思想』岩波新書、1961年
久野収、鶴見俊輔『現代日本の思想―その五つの渦』岩波新書、1956年
日高六郎『戦後思想を考える』岩波新書、1980年

現在、購読中のテキストは以下のものです。
市村弘正編『藤田省三セレクション』平凡社ライブラリー、2010年

現在は15名前後の参加者によって月に一度開催し、各回一章ずつていねいに講読、議論しています。

本ゼミナールの運営は市民の皆さんによって行われていますが、関心をもたれた方は越智までご連絡ください。参加方法などご説明します。参加費は連絡費、会場費などのため半年で500円程度集めています。なお毎回終了後、宴席があります。もちろん強制参加ではありません。終電、終バスに間に合う時間に終了します。


自主ゼミ  不定(研究室503)
英語文献講読ゼミナール

<附記:2011.07.14.>
以下のゼミを学生有志と継続的におこなっていたのですが、このところ社会科学系大学院を受験希望する学生さんが増えたので、このたび彼ら/彼女らを対象として受験指導としての英語ゼミをおこなうことにしました。大学院受験を希望する学生にはこれまでも個人指導をしていましたが、自分が受験する専門課程以外の英語論文も読んだほうがいいですし、この際まとめてゼミとして複数の学生が一緒に勉強できるようにしました。関心のあるかたは、内容・時間等、お問い合わせください。

これは希望者による自主ゼミです。単位にもならないし、教師も学生の機嫌をとりません。別に他のゼミでも学生の機嫌をとっているわけではありませんが、特にこの自主ゼミでは僕は厳しいです。

政治理論に関する英文の論文を丁寧に読みます。専門用語の説明から、概念の再検討、日本語への移し替えの問題など、いろんなことを全員で考えながら、ゆっくりと読みます。

今年度も、
John G.Gunnell, Between Philosophy and Politics:The Alienation of Political Theory (The University of Massachusetts Press,1986)
を継続して講読しています。テキストは僕がコピーして参加者に渡します。

参加者の所属組織、学年、学科、性別、年齢、思想信条など一切問いません。当初は本学の学生だけを対象にしていましたが、学外からの参加希望者もいましたので、現在はどなたでも参加自由です。興味のある方は、どうぞ越智まで問い合わせてください。メイルでもいいですし、直接研究室に来ていただいてもかまいません。ただし、ゼミの時間、場所は参加者の都合でときどき変更になる可能性があります。

途中参加も受け付けています。テキストのコピーを受け取りたい方はメールなどで連絡してから研究室に取りにきてください。


1年生ゼミ  火曜日3限
基礎演習1・2

今年度不開講


2年生ゼミ  木曜日4限(213教室)前期のみ開講、後期不開講
国際研究ゼミナール1・2

<現代の社会問題と私たち>

国際研究ゼミナール1・2は基礎演習の延長線上にあると僕は考えています。ものを読み、考え、議論し、それを文章にまとめるという作業は基礎演習と同じです。しかしこのゼミで中心になるのは基本的な読解力を前提とした上での議論です。

今年度の細かいテーマは未定です。ただし「現代社会は多くの問題をかかえていて、その多くの問題と人間一人ひとりが生きにくいという事実は関連している」という基本的認識をはずれることはありません。特に先進資本主義国に特有の諸問題を取り扱う予定ですが、どんな事例を議論するときにも他人事としてではなく自分の問題として考えることを要求します。

たとえば現在、世の中で多くの人が殺されています。その「殺人」という行為には変わりがなくても、それら多くの殺人を私たちは細かく差異化していきます。テロリストによる虐殺、法治国家における死刑、正当な防衛行為、教育の「行き過ぎ」としての体罰、英雄的戦功、医療過誤、テロ根絶のための必要悪、反逆者の処刑、武装蜂起に対する秩序維持……など、呼び方はいろいろです。しかしすべての行為が「人が人を殺す」という点においては同じです。こうした呼称の差異という問題は、そのままそれらの人殺しという行為と私たちの関係を明らかにしていくはずです。その関係の総体が現代社会を構成していると考えられませんか。

こうしたことについて「そんなもん知るか。全部違うのは当り前だろ」と言って開き直るのは、現在の社会のありかたをまったく批判していないということです。目の前の世界を「快適」だと思いこんでいるということで、それは実は何も考えてないということを表明しているだけです。酸素を吸って二酸化炭素を吐いているだけです。マレーシアの森林資源のためにはなっているでしょうが、人生の意義は限りなく低いでしょう。何かを考えて1日生きるのと、何も考えずに5万年生きるのを比較すれば、それは前者のほうがはるかに人間として意義深いと僕は考えます。

<講読テキスト>
本田由紀「『シューカツ』という理不尽」『UP』2010年8月号
斎藤美奈子「世の中ラボ13 『無縁社会』の嘆き節」『ちくま』2011年4月号
小倉千加子『結婚の条件』朝日文庫、2007年
新納泉「原始社会像の真実」『世界思想 特集:虚構と真実』2011年春号、38号
樋口直人「外国人参政権をめぐる虚構と真実」『世界思想 特集:虚構と真実』2011年春号、38号


3年生ゼミ  火曜日4限(211教室)
国際研究ゼミナール3・4

<政治思想と現代社会>

卒論指導では各学生がテーマを見つけてそれに取り組みます。しかしこのゼミナールではそれらのテーマに直接関連したことを全員で議論することはありません。各自のテーマについては「政治」と「思想」と「アメリカ」に関連したことであれば広く指導するつもりでいます。

ゼミナールでは現代の古典と呼ぶべき政治思想家の論文をとりあげ、「ものを考えるということはどういうことか」について全員で深く議論したいと思います。それは人間らしく生きるということはどういうことかを問うことでもあります。すべての人間は阿呆のふりをしているうちに本当の阿呆になってしまいます。しかしその危険性を少しでも低くするにはどうしたらいいのか。また、なぜここまで現代社会は味気ないのか。どんな理由でこうなってしまったのか。さらには、どうせ社会の歯車として生きていくのなら少しでも存在意義を自分で見出せる歯車になるにはどうしたらいいのか。そういう問題について考えたいと思います。

もし「今の社会はすばらしい」とか「自分は歯車じゃない」と思っている人がいたら、それは社会に関する理解が足りない、あるいはたんに頭が悪いということです。ゼミナールという学習には絶対的に不向きですから何か別の道を歩まれたら良いと思います。

ゼミナールの具体的な内容として5人の政治思想家を考えています。マックス・ヴェーバー、ヴァルター・ベンヤミン、ハンナ・アーレント、丸山眞男、ミッシェル・フーコー、シェルドン・ウォーリンの6人です。このなかの一人の論理に限定して2年間、徹底的に議論します。一人を選んだらその他の者の著作は読みません。どの思想家にするかは一回目のゼミナールで参加者に決めてもらいます。

こうしたゼミナールが各自の卒業論文の問いとどのように結びつくのか心配する人もいるかもしれません。しかしこれらの問いについて考えることは論文を書くうえで必ず役立つことです。もっと正確に言えば、このような問いを欠いた問題設定によって書かれた論文に価値はありません。価値のある論文を書いてもらいたいと思っています。

<講読テキスト>
スラヴォイ・ジジェク「『静かな革命』が進行している」『みすず』2003年9月号
クロード・レヴィ=ストロース「過去に立ち戻る」『みすず』2003年7月号

―――テキスト決定前に

丸山眞男『新装版 現代政治の思想と行動』未来社、2006年
―――ということで今年度の3年生は丸山眞男をテキストとして選びました。


4年生ゼミ  木曜2限(管理研究室棟6階セミナー室)
国際研究ゼミナール5・6

<政治思想と現代社会>

国際研究ゼミナール3・4の内容を4年ゼミでも継続して議論します。

<講読テキスト>
上野千鶴子「ニッポンのミソジニー 第11回『非モテ』のミソジニー」、scripta、2009年夏号
シェルドン・S・ウォリン「集合体のアイデンティティと立憲的権力」(シェルドン・S・ウォリン『アメリカ憲法の呪縛』みすず書房、2006年)所収。
杉田敦編『丸山眞男セレクション』平凡社、2010年
エドワード・W・サイード「『オリエンタリズム』新版序文」『みすず』2003年9月号
エドワード・W・サイード「帝国の視点/夢想と妄想:サイード、最後の言葉」『みすず』2003年12月号
ダニエル・バレンボイム「芸術、音楽、文化:エドワード・サイードの関心の広がり」 『みすず』2003年11月号
ガブリエル・ピーターバーグ「エドワード・サイード」『みすず』2003年11月号
C・D・カヴァフィス「野蛮人を待つ」『みすず』2003年11月号

―――いろいろあって今年度の4年生は変則的なテキスト決定になっています。


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