2007年9月28日(金) 情報処理演習2:小宮山 ワード編 大学生とは、卒業論文とは 「学校」が既存の情報・知識を覚えるところであるのに対し、「大学」とは、新しい情報を創造する能力を身につけるところです。そして創造した情報を論理的に記した文章 です。この演習では情報を創造するための道具としてのコンピュータの活用法をこの演習で身につけてきました。 ホームページ作成編(HTML・CSS)では「構造化」ということを学びます。生まれながらに論理的な人はいません。論理的に物事を考えることは人間、だれでも得意ではありません。コンピュータは論理を「構造化」することを手助けしてくれます。論理の構造が明確になると、考えやすくなります。そして学んだことを未来の自分のために記述することを合わせて学びます。 自分の人生を、そして他の人々の人生を真剣に考え、意思決定を行おうとすると、「情報」が欲しくなります。情報を整理するための方法として、エクセルを用いてのデータベースの作成を行います(エクセル編)。誰かの作った情報は、必ずしも皆さんが直面する問題に対して、具体的に答えてくれるわけではなりません。 自分の問題について考えるとき、果たしてどの情報が、現状に適合的なのか、そもそも既存の情報が、いま、ここで通用するのか、疑問が生じます。そんなときの決着のつけ方のひとつが疑似相関を見つける方法です。AかBか、どちらの要因を重視すべきか。そんな時に、Aの条件を均一にして、Bを変化させたとき、どのように目的となる事象が変わるのか、またBの条件を均一にして、Aを変化させたときはどのように目的となる事象が変わるのか確かめ、見かけ上、影響を与えているように見えるが、実際には影響を与えていない要因を探り出す方法です。物事が上手くいったとき、失敗したとき、いつもと違うことがたくさんあります。その中の何が本当の原因なのか、見極めなければ、失敗も成功も次に生かせません。遊びでも仕事でも、家事でも、真剣に行なえば、身につく考え方です。 そして、自分の考えもまた、疑似相関かもしれません。自分の考えを問い直すために「他人の頭」(既存の文献や専門家の助言、当事者の意見等)を使用することが、とても大切です。自分の考えを短時間で効果的に伝え、他人の頭を借りるための手法をパワーポイント編で学びました。さらにこの演習ではグループワークを行なってきましたが、ごく一部の方々以外、ご活用いただけなくてたいへん残念です。お友達の頭だけでは情報は創造できません。 ここで学ぶことは、自分の人生を真剣に“生きる”とき、そして「大学で学ぶことができた極めて恵まれた人々の責任」を果たすとき、役立つスキルです。いまはまだ実感がわかないかもしれない。しかし何を行ったかは頭の片隅に入れておいてください。あなたが真剣に生きたくなったときに、そしてスキルが必要になったら、いつでもどこでも何度でも質問してください。できる限りお答えします。実際に卒論を書くときになって、質問に来てくれる学生さんがいます。それでいいと思います。それぞれの方、自分に適したスピードでだんだん大学生になっていってください。  次章にワード編を書き記しておきます。卒業論文執筆にご活用ください。 操作編 見出し・アウトライン 機能説明  文章(論理)の構造を伝えるために、章立て構成を行ないます。ワードでは「章」の番号、章の中の「節」の番号、節の中の「項」の番号を自動的に振ってくれます。コンピュータのいいところは編集が容易なことです。構造をわかりやすく伝えるために、試行錯誤できます。自動的に章・節・項の番号を振っておくと、章・節・項の順番を変えたときに、ワードの方で、章・節・項の番号を振りなおしてくれます。  操作としては、見出し設定と、アウトラインの設定の2種類を行ないます。 操作1:見出し設定 章のタイトルところを「見出し1」、節のところを「見出し2」、項のタイトルのところを「見出し3」と設定します。見出しに設定したい行にカーソルを持っていきます。そして図1のように標準と表示されている窓がありますので、右側の▼マークをクリックし、見出し1〜3にします。 見出し設定 アウトラインの設定  書式・段落と箇条書きをクリックすると図2のような窓が開きます。アウトラインをクリックしてください。論文では一般的に下の段の左から二番目の番号を用います。この文章のような短いものでは、一般的に章・節・項とはしないのですが、参考のため、この文章は論文用のスタイルで記述しています。 アウトライン 自動目次挿入 機能説明  卒業論文では目次を付けます。章・節・項がたくさんできるので、自分で作成するとなると大変ですが、前節のように自動で、章・節・項の番号を振っておくと目次もパッと作ってくれます。もちろん、章・節・項を入れ替えたり、ページが増えたときも簡単に作り直してくれます。操作は、目次の作成と、目次の変更二つをお示しします。 操作1:目次の作成  目次を入れたいところにカーソルを持っていってください。そして「挿入」・「参照」・「索引」と目次の順でクリックします(図3参照)。目次をクリックし、書式でスタイルを選びます(図4参照)。論文だと「フォーマル」か「エレガント」が一般的なスタイルです。 目次作成1 目次作成2 操作1:目次の変更  論文を書き足して、ページが変わったり、章・節・項の順番を変えたとき、目次を簡単に作り直せます。目次のところで右クリックするとメニューが出てきますので「フィールドの更新」を選択してください。ページ番号だけ変更するときは「ページ番号だけを更新する」を、章・節・項の順番を変えたときは「目次のすべてを更新する」を選択し、OKをクリックしてください。 目次の更新 脚注(新規) 機能説明  論文では、全体の構造が分かりづらくなるような瑣末なことは、注にとして記述します。 ワードでは自動で注番号を振ってくれます。新しい注を入れれば、全体の番号を自動的に振りなおしてくれます。便利です。 操作説明  脚注 を入れたいところにカーソルを持っていってください。そして「挿入」・「参照」・「脚注」の順でクリックします(図6参照)。脚注を付けた部分のページの最後に注を示すか(ページの最後)、文書の最後に表示させるかを選択し、OKを押します。 脚注 自動ページ番号挿入 機能説明 卒業論文には、必ずページを振ります。先日、1ページごと番号を入力している学生さんがいてびっくりしました。自動ページ挿入を知っていれば簡単なのに…。もちろんページが増えれば自動的に振りなおされます。 操作説明 「挿入」・「ページ番号」の順でクリックします。挿入する位置を選んでOKを押します。 自動図表番号挿入 機能説明  論文では、図や表を入れたときは、通し番号を付けます。この文章でも6つの図が記されていて、番号がついています。そして本文で「図○参照」と記述してあります。図表番号も自動的に振ってくれます。さすがに本文の「図○参照」と書いてある部分は、変更されませんが、図表番号が自動的に正しく振りなおされていれば、本文の変更は随分と楽になります。 操作説明  番号を指定したい図をクリックします。そして「挿入」・「参照」・「図表番号」の順でクリックします(図6参照)。図なのか、表なのか、ラベル名を指定します。そして、図表番号を図や表の上に記すか、下に記すか指定します。そしてOKを押してください。