ファジィ理論を用いた画像処理

ファジィ理論

「ファジィ」という言葉は「あいまい」という意味である。ファジィ理論はザデー教授によって作られた。
Xを全体集合とし、その要素を xとする。このときXにおけるファジイ集合 Aとは、 Xの任意の要素 xAに属する度合いを示す特性関数μA(メンバーシップ関数という)によって

μA : X → [0,1]
のように特性づけられたxの集まりとして定義される。

ファジィ位相

ファジィ集合の概念を用いることにより通常の位相空間の拡張であるファジィ位相空間が構成できることが知られている。
ファジィ位相論は、ファジィテンプレートと呼ぶある特定のファジィ集合を用いて構成される。そして、従来の位相論を用いた画像処理と同様の処理(内部、外部、境界抽出等)を行なうことができる。

ファジィ理論を用いた数理形態学

ファジィ理論を用いた数理形態(Mathematical Morphology)は、2値の数理形態をファジィ集合を用いて拡張し、濃淡画像の代数的処理をに導入したものである。 2値の数理形態と同様に、dilation(膨張), erosion(収縮)という基本的演算を組み合わせ、様々な処理を行うことができる。

あいまいな画像

濃淡画像の境界があいまい性を持つことに着目し、処理対象の画像をファジィ集合として捉えることができる。
濃淡画像の画素の横方向の座標を X、縦方向の座標を Y とする。濃淡画像の濃度値を[0,1]に正規化し、座標 (x,y)の濃度値をμ(x,y)であらわすと、濃淡画像は座標空間 X×Y上の濃度値μ(x,y)を持つファジィ集合であるとみなすことができる。この考えに基づき、ファジィ集合論を濃淡画像の処理に応用する。


研究 / 河原