NUIS情報文化学科留学通信

 2004年11月30日 第1号

発行:新潟国際情報大学情報文化学部

情報文化学科派遣留学実施委員会

編集責任者 安藤 潤

  今号は記念すべき第1号として、情報文化学科の派遣留学制度で現在ロシア・中国・韓国に留学している2年生6名と、アメリカでの留学を終えた2年生2名、合計8名のホットな声をお届けします。

  極東国立総合大学(ロシア連邦)

情報文化学科2年 山崎 達

 〜ロシア留学について〜

   語学上達や異文化理解など、さまざまな理由から留学は価値のあるものだ。それは日本で教科書を通して学ぶことよりもずっと自分の中で生きると思う。単語一つにしても、ただ記憶するので無く、物を買うため、食べるために学ぶ。友達との会話のために覚えるなど、それを覚えたことによって出来ることの差が日本と大きく違う。初めて自分のロシア語が店員さんや、友達に通じたときの喜びは説明できるものではない。そして、それらの単語は決して忘れない。それから、常識の違いについても学ぶことが多い。日本で当たり前のことは、国外に出ることによって当たり前でなくなる。ロシアも例外ではなく、やはり日本の常識が通用しない。たとえば、言葉が通じない。水道水を飲むことが出来ない。しばしばお湯が使えない。車の量が多いのにもかかわらず、信号が殆どないなど、最初はその分だけ、生活を送る上で苦労、不安も多かった。しかし、慣れればそれらは大した問題でない。1ケ月もすれば、ロシアの常識が自分の生活の常識になってしまうのである。生活の中でロシアの常識に慣れ、ロシアの常識を知り、自分の中でのロシアへの興味はより大きなものになった。この留学においてこれは、自分の中で語学上達以上に大きな成果だと思う。

情報文化学科2年  渡辺拓郎

 〜留学生活について〜

 留学当初は、慣れない環境に戸惑いを感じることもあったが、今はウラジオストクの雰囲気を心地よく感じることが多い。留学前の自分のロシアのイメージと、実際の印象は少々違ったものになった。どちらかと言えばネガティブなイメージを持っていたが、生活してみると不満などはあまり感じない。ロシア語学校の授業はとてもおもしろく、勉強することに楽しさを感じている。授業で習った言葉を日常生活で使い、それが通じたときはやはりうれしく、僅かながらも進歩を感じることが出来る。他の国の人たちとの会話、買い物時など、必然的にロシア語を毎日感じられる環境に感謝したい。
  留学生活をしていると、よく他の国の人から、日本について聞かれることがある。質問によっては答えに詰まることがある。それはとても恥ずかしいことであり、自分がいかに自分の国のことを知らないか、ということを知った。
  この2ケ月は、とても充実した日々を送ることが出来たと思っている。しかし、まだロシア語のレベルは満足行くものではなく、ロシアについてもまだまだ知らないことが多い。残りの時間を有効に使い、留学を自分にとって意義のあるものにしたい。


   北京師範大学(中華人民共和国)

情報文化学科2年  三澤浩美



  早いもので、私たちの留学はあと1ケ月と少しになりました。今年の中国コースは2・3年生が一緒で人数が多く、さらに1人韓国人の李さんも仲間として一緒に学んでいてとても新鮮です。これは例年にはなかったことだと思います。私たちは多くのところを見学したり、中国と日本の文化の違いを見つけたりして、いろんなものを吸収しています。毎日の生活に何らかの刺激や変化があるので、今までの約2ケ月という時間を少し短く感じています。
  一番不安だった“言葉’’は、始めは相手の話がほとんど聞き取れず、話すことに対して臆病になっていました。しかしこの何ヶ月かで、だいぶ聴力がつき、もっと中国語で話したい!!と思うようになりました。この気持ちの変化には自分でも驚いています。また、私のルームメイトは韓国生まれアメリカ育ちの女の子です。彼女と話すことは、中国語の練習になるだけでなく、他の国のことを知るきっかけにもなり、大変ためになります。私は今彼女と過ごしていてとても楽しいです。
  私たちに残された時間はあと少し。残りの短い時間を有意義に過ごし、さらに大きく成長して日本に帰りたいと思います。

情報文化学科2年  山崎 樹

 〜ここから日本に向けての報告〜

 よく訊かれることがある。何故あなたはここに来たのか。その度に嘘をつく。ここが好きだからとか、異国の姿を自らの目で見、感じてみたかったからとか。ほんとは目的なんてなかった。ただ来てみたかった、それだけで私はここにいる。しかしながら、時には嘘も嘘でなくなる時があるようで、ここがだんだん好きになっているし、ここでいろんなものを見、いろんなことを感じている。後悔なんて誰の造った言葉かわからない。
  最近になってのことだが、書道作品を見るとなんだか妙に心が弾む。風景画はその風景が美しいから描く、人物画はその人に惹かれるから描く。では漢字を書く理由は何だろうか。そんなことを考えながら一日をやり過ごすこともある。他の人にはくだらないことかもしれないが、私には面白く感じる。面白いことが好きだ。だから考える。一字一字に自分の魂の全てを注ぎ込み、字の中に自分を描き出そうと考えているのかもしれない。ただ書きたいという思いだけで書いているのなら面白い。
  よく考えることがある。残りの時間をどう過ごそうか。目的もなくただ過ごすのもいいかもしれないが、“中国”の中に自分を見出すのも又、面白いことかもしれない。


   慶熙大学(大韓民国)

情報文化学科2年  前田将利

〜韓国の生活について〜

・寄宿舎
  寄宿舎は4人部屋で、私以外は3人とも韓国人です。毎日国際教育院まで坂を登り降りするのは大変ですが、部屋でルームメイトと話せるので語学の上達には良いです。寄宿舎の食堂はおいしくないと言われていましたが、全然そんなことはありません。むしろ食べ過ぎるくらいです。寄宿舎には日本人もたくさんいて、日本語を話せる韓国人もいます。なのでわからないことがあれば、日本語で聞くことができます。

・韓国語
  授業では日常ですぐ使える文法や単語を学びます。聞き取りや会話練習も多いので、知識としてだけでなく、経験として体で覚えることができます。また、周りのもの全てが勉強になります。はみがき粉の箱を見るだけでそこには多くの文法や単語がつまっています。ただ、韓国語ばかりの生活なので、日本語が出てこないことがよくあります。

・サークル
  私は今、キョンヒ大学のダンスサークルで活動しています。勉強もサークルもとなると少し大変ですが、それでも遊ぶ時間は十分にあります。定期公演の時はさすがに忙しかったです。また、立命館大学のサークルが来て一緒に公演をしたのですが、簡単は通訳もしました。

情報文化学科2年  高橋亜由美



  韓国で生活して、日本で生活していた頃より充実した生活を送っていると最近実感してきました。私は特に皆に比べ、何も分からず来たので。言葉や生活に慣れるまで戸惑いました。今も戸惑いはありますが、友達ができ、少しずつ話せるようになり、自信が付いてきて、韓国の色々なおもしろい部分が分かってきたと思います。まず、韓国人はナルシストが多い!ということです。道を歩いていても、堂々と自分の写真を携帯で撮っている人をよく見かけ、「スターショット」という、アイドルになりきって写真を撮るという店も普及しているからです。他には、韓国は日本に比べ、他国語力が発達している国であるということ。私が出会った韓国人のほとんどは、英語を話すことができます。韓国語と英語というように、母国語の他に他国語を一つや二つ話せる人が少なくありません。そして、本当に社交事例がないということに驚きました。日本で「今度遊ぼう」と約束したとしても流れることが多々ありますが、韓国ではそのような約束をすれば必ずと言っていいほど遊びます。後は、基本的に男の人がおごってくれます。これは人にもよりますが、女の人に金を出させないというのが基本になっているようです。他にも多々面白い事、日本と違う点がありますが、説明しきれません。良い部分も悪い部分も含めて、とにかく素敵な国である。というのが、私の感想です。


   ノースウェスト・ミズーリ州立大学(アメリカ合衆国)

情報文化学科2年  早川亜衣子

 アメリカ留学は、これまで海外へ行ったことのない私にとって、初めての経験でした。ミズーリで5週間滞在し生活することは、とても不安でした。例えば、ルームメイトとの生活です。今まで姉妹以外で部屋を共有することはなかったので初めてできるルームメイトはどんな人などだろうと興味を抱いていた反面、どう接すればよいのかなど不安も感じていました。また、カンバセーションパートナーが2人に1人付き週に4回1時間ほど会話をする機会があったのですが、先生とは違い話すスピードが速く、意味が理解できないと感じました。自分の意志を伝えることができず困惑したことも多々ありました。しかし、理解できないところは丁寧に教えてくれ、回を重ねるごとに会話も弾むようになり楽しいものになりました。アメリカの人たちは明るくフレンドリーな人が多いと聞いていたとおり、初対面でも目が合えば笑顔で挨拶をしてくれるし、気軽に声をかけてきてくれます。実際に生活し、私は日本と一番違う習慣であると肌で感じました。小さな会話のやり取りは、それだけで嬉しく感じさせてくれました。アメリカ留学での経験はとても良いものであり、毎日が充実していました。

情報文化学科2年  高橋 智子

 アメリカ留学から帰ってきて、2ケ月以上が経った今でも、私はアメリカで過ごした楽しい日々をよく思い出します。
  授業はすべて英語で行われ、私たちが発言する機会が多いので、積極的に英語を話す姿勢が身につきました。英語の授業以外では、週に一度の講義があり、アメリカの歴史や文化を学びました。さらに授業を通して、英語で文章を書くときや、人前でスピーチをするときのコツを学び、様々な場面で役立つ力が身についたと思います。
  週末にはサウスダコタ州への旅行やフットボールの試合観戦、ロデオ見物など楽しいイベントがあり、アメリカを肌で感じることができました。
  それからカンバセーションパートナーや、他の国や地域からの留学生と様々な話をしたり、ピクニックに出掛けたりして楽しかったです。積極的に話し掛けることで英語が上達し、アメリカは勿論、他の国の文化についてもっと知りたい気持ちが強くなりました。
  学習面や生活面で困ったときには、現地の先生方や友達からアドバイスをもらえたので、留学前にあったいろいろな不安はいつの間にか消えていました。5週間の留学は短かったけれども、本当に充実した楽しい日々でした。