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学長 平山征夫湧源 うたたつ        こ   2学生諸君、教職員、父母の皆さま明けましておめでとうございます。新たな気持ちで新年をお迎えのことと思います。本年も何とぞよろしくお願いいたします。開学23年目となる昨年は、本学にとりまして有意義な1年でした。創立20周年を期に悲願でした2学部への移行を達成しましたが、漸次定着をしており、本学の新しい歴史は順調に歩み出したと言ってよいでしょう。昨年は、2学部制の定着を図りつつ、一段と「国際化と情報化という時代要請に的確に対応できる人材育成」という建学の目的が達成できますよう、各学部の専門性を一層高めると共に、より人間性に富んだ人格形成を目指した教育内容を充実したいと、次の学部学科及びカリキュラムの改革・見直しの検討を行ってきました。また、その前提としての本学の未来の在り方・目的を定めた「中長期計画」を策定しました。そこでは「若者と新潟の未来を創る大学」および「地域になくてはならない大学」を謳うと同時に、次の6つの基本戦略を打ち出しました。①国際化・情報化に応える人材育成の拠点となる大学②幅広い人間教育を実践する大学③地域の未来を切り拓き地域に貢献する大学④国際化を進化させる大学⑤多様な活動を通じ新たな機能を発揮する大学⑥未来を創る大学としての活動しかし、大学を取り巻く環境は「2018年問題」をはじめ一段と厳しくなっています。少子化や地方経済の低迷が進むといった客観情勢だけではなく、文科省の政策が同省の基準による大学改革評価主義となり、つれて予算配分もそれに比例しています。さらなる改革として高大接続のほか、実質専門学校等の大学転換である「実践的教育を施す新たな高等教育機関」の設立も現実化しつつあり、強烈なライバルが登場してきます。専門学校の多い本県では、大きな影響が懸念されています。本学が私立大学として自らの建学の理念に基づき、より魅力と特徴のある大学創りに励むことが求められています。それには昨年定めた「中長期計画」を本年本格スタートさせることが何より肝心です。本学がこの地で「知」の中核的存在として、23年の実績を踏まえてさらなる「なくてはならない存在」になるには、上記の基本戦略をどう具体化するかにかかっています。皆さんからも改めて大学が持っている「知」の資産を生昨年秋の私大協総会で「私立大学、とりわけ地方の私大の必要性をどう訴えてゆくか」が議論となりました。私は以前にも触れましたが、地域の私大は道路、病院などと同様、地域に必要な「共通社会資本」だと思っています。なぜなら「地域が必要とする人材は地域で育てる」という社会資本としての役割が大学にあるからです。本学がその役割を真に果たす共通社会資本にふさわしい大学になるため、本年さらなる改革に取り組む所存ですので、皆さん一緒に力を合わせて進みましょう。かすとともに、具体的実践活動に結びつけていただきたいと思います。編集後記に代えてゆう げん入試・広報委員長 安藤 潤新年あけましておめでとうございます。楽しい年末年始を過ごしただろう4年生も、本号が出るころには卒業発表会や卒論口述試験を控えて緊張感がピークに達していることだろう。本学のカリキュラムの特徴の一つとして、卒業論文が必修科目になっていることが挙げられる。学生から、県内他大学では必修化されていないのになぜ本学だけ卒論が必修になっているのかと聞かれることがよくある。卒論が必修かどうかは学部によることもある。実際、私の卒業した学部は必修ではなく、ゼミ指導教員に任された「ゼミ論」だった。卒論が必修化されている理由は学生生活4年間の集大成だからとか学生を遊ばせないためだとかいろいろあるとは思う。大学院に進学して研究者を目指すのはごくごく一部にすぎない。それでも卒論は書いてほしいと思う。私の卒論は研究室にある。今となっては貴重な原稿用紙に手書きの卒論だ。ボールペン書きなので間違えると修正液を塗って乾くまで待ち、書き直していたあのころが懐かしい。それだけに今読み返してもあのときの情景が今もよみがえる。提出日の朝に書き上げ、文房具屋さんに製本をお願いし、炬燵に入ってほっとしたのもつかの間。なぜか第2章がそっくりそのまま抜け落ちて炬燵の下に。顔を引きつらせ慌てて再度持って行ったあの時からすでに四半世紀。時代は変わって卒論は言うまでもなくパソコン書きだ。見ようによっては一見白い紙に規格化された黒い文字の集まりにしか見えないでもない。しかし、卒業生が久しぶりに読み返したとき、その目に映るのは本当にそんな個性の感じられない文字の集まりだろうか。そこにゼミ・研究室での飲み会や合宿、提出期限まで卒論執筆に苦しんだ自分の姿、そんないろいろなものが色鮮やかによみがえってくるとすれば、指導した教員としてこれほどうれしいことはない。それがいつになるのかはわからないし、読み返すことがあるのかそれ自体もわからないが、卒業生の皆さんにはぜひ自分の卒論を読み返してもらいたい。そのとき皆さんの目には何が映るだろうか。それを聞くのを楽しみにこれからも指導していきたいと思う。「知」の資産生かし改革より魅力、特徴ある大学へ新潟国際情報大学 学報 国際・情報 平成29年1月発行 2016年度 No.4新春あいさつ「中長期計画」スタートしよう

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