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  (国際文化学科・教授 越智敏夫)           4年・熊谷太陽交際しているカップルは相手のどのような点に惹かれたのか(交際理由)、交際後、どのような関係を築いているのか(恋愛観)を研究しています。カップルを対象にアンケート調査を実施し、そこから得たデータを因子分析して、交際理由を5タイプに分類しました。そして、この5タイプと恋人との関係を掛け合わせて分析しました。その結果、交際理由がその後の恋愛に少なからず影響を与えていることが明らかになりました。例えば、女性が男性の将来性に惹かれて交際した場合、その男性は女性に対し„尽くさないタイプ“であることが分かりました。この研究が進むことで、構築したい関係にマッチした相手を選ぶことができるようになる、かもしれません。ンタビューやアンケート、ワークショップなどを駆使して、自分の価値観、視点にのみとらわれることなく、データ・根拠を集め、研究に取り組んでいます。4年生にこの研究室で学んだことを質問しました。てっきり調査・分析手法や、論文を読むことといった回答が返ってくると思いきや、「数人で考えるとあっという間にアイデアが生まれる」という答えが返ってきました。異なる価値観・視点に触れることでアイデアが生まれることを実感してくれているようです。他者と協力することの有効性感覚を持つことは、科学、そして民主主義の基本ではないでしょうか。学生たちは3年の時に、ワールドカップのパブリックビューイングを自分たちで実現し、また地域の祭りでは、地産地消の屋台を出店することで多くの方々と触れ合い、勉強させていただきました。自分の関心を大切にし、しかし他者の価値観・視点に耳を傾け、議論を通して、新しいものを創り上げていく、学生たちは私の想定以上に成長を遂げてくれました。一重に地域の皆さまのご尽力と、学生たちのたくましい好奇心の賜物かと存じます。ゼミ生の卒業研究テーマ その男性は女性に尽くさない?!女性が将来性に惹かれて交際本学の学生と市議によるグループ学習という形式の、新潟市議会の議会報告会(中央区)が11月28日、本学の新潟中央キャンパス「コワーキング・ラボこくじょう」で開催されました。市議による一方的な活動報告ではない会で、実はこの方法は昨年、議会報告会がはじめて本学で開催されたときに試されたものです。昨年は非常に活発な議論となったことから、今年度も同方式での開催となりました。テーマはBRT、少子化問題、産業振興など、すべて現在ばかりでした。議員と学生との間で熱い討論が展開され、その内容がすぐにグループ別に報告されました。選挙権が18歳まで拡大するなか、本学学生がこのように市議会議員と討論することは、学生自身の市民としての民の政治意識の幅の広さを再発見されたようでした。 1)研究論文・図書臼井 陽一郎(国際文化学科・教授)・(2015年)「EUのマルチレベル・ガバナンス論─その統合理論としての意義の再考」『国際政人々の行動や考え方の謎を解明しています。今年の4年生は「クーポン券を不便に感じている人にもっと使ってもらえる工夫」「アルビレックス新潟の試合を見にスタジアムに足を運んでもらうには、どうしたらいいか」「お金や単位というご褒美(外発的動機)ではなく、勉強の面白さ(内発的動機)でモチベーションを上げることができるのか」「どのような練習方法でバドミントンが上達するか(複数の地域のクラブで上達を計測!)」「赤目のキャラクターはどのような印象を与えるか」「顔のパーツ・配置が第一印象に与える影響」「性格は車間距離に影響を与えるか」「夜遅くまで起きているのは、昼間、生活が充実していないからか」「どのようなポスターが注目されるか(文字と絵に着目する人々の相違を解明)」などのテーマに取り組んでいます。一見、バラバラのようですが、共通点が2つあります。第1に皆さん„自分の関心“の高いテーマに取り組んでいることです。ラクなテーマに流されずに自分の関心を貫くことは、なかなかできることではありません。第2に、多くの人々の視点を研究に取り入れていることです。既存の文献のみならず、イズームアップ           5新潟国際情報大学 学報 国際・情報 平成28年1月発行 2015年度 No.4た自の一覚新方も潟で深市、まに議っと員ったのはて皆ず重さで要んすなもも。市まの教員の活動(本人申告による)小林 元裕(国際文化学科・教授)・(2015年)吉田裕 他「阿片政策、有田・クレーギー会談等12項目を執筆」『アジア・太平洋戦争辞典』 2)学会・研究会・講演等安藤 潤(国際文化学科・准教授)・(2015年9月11日)「日本の夫婦の家事・育児分担とワーク・ライフ・バランス」にいがた市民大学「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)をとるために」(クロスパルにいがた)治』182号(16-29頁)・(2015年10月8日)"Identity Economics and Housework Behavior of Wives of Dual-Earner Couples: Empirical Analysis Using JPSC 2000―2008 Panel Data ", Department of East Asia 神長 英輔(国際文化学科・准教授)・(2015年7月12日)「露領漁業から北洋漁業へ デンビー商会の盛衰」中国四国歴史学地理学協(University of Vienna, Austria)區 建英(国際文化学科・教授)・(2015年9月1日〜9月2日)"孫文の民権主義の実践と創造", 国際学術シンポジウム「儒学の道統と民主共和」 (台湾師範大学, 台湾)・(2015年10月23日〜10月25日)"孫文の民族主義の実践と創造", 国際学術シンポジウム「近代文化と近代中国」 (北京師範大学, 中華人民共和国)・(2015年11月11日〜11月13日)"孫文の民族主義と大アジア主義", 国際学術シンポジウム「伝承と創新:紀念孫中山誕生150周年」 (国父紀念館・台湾大学, 台湾)会2015年大会(広島大学)・(2015年10月3日)「コンブから考えるロシア極東史」来日ロシア人研究会例会(青山学院大学)・(2015年7月4日)「外交 北洋漁業と自治体外交」2015年度 にいがた市民大学 新潟学コース(大学コンソーシアム連携講座) 新潟150年史:その世界史的位置(クロスパルにいがた)新潟市議会の議会報告会(新潟中央キャンパス)情報システム学科  小宮山 智志 准教授多様な価値観で人々の行動の謎を解明学生と議員がグループ学習学生と議員がグループ学習研究室

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