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            7国際化が今後ますます進み、情報技術が進歩しても、人間が心の本質を理解したいという気持ちは変わらないでしょう。伊村研究室では、ヒトの心を心理学の視点から科学的に理解することを目指しています。ヒトがどのように世界を知覚、認識しているのか。チンパンジーの知覚、認識の仕方はヒトと比べてどう違うのか。言葉を話す以前の赤ちゃんは、どのようにして世界を知覚、認識しているのか。私自身これらを実証的に調べることで、人間同士が年齢や性別、言語、文化を超えて情報を共有する仕組みについて考えてきました。心理学は、脳科学、情報科学、経営学、社4年・石附誠士郎 視覚情報と記憶容量の      関 係 を 実験で確かめるゼミ生の卒業研究テーマ会学など、さまざまな学問分野の影響のもと発展してきた学際的な学問領域です。本研究室の卒業研究のテーマも多岐にわたっています。これまでのテーマには、私たちがどんな時に情報を見落としやすいのか、記憶したものを想起しやすくする私たちは身の周りの情報を五感(視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚)で得ています。その中で視覚の占める割合は最も高く、たとえば日常生活で出来事を記憶する際には色・形・動きなどのさまざまな視覚情報が活用されています。このような視覚情報の種類の違いによって記憶容量に違いがあるのではないかと考えました。本学学生を対象に、モニター画面上に色のついた記号を1つずつ見せた後、それらの「色」または「形」を順番に答えてもらう記憶課題を行いました。記号の数を2個から5個まで変化させることで、記憶できる記号の数、つまり記憶容量が色または形を答える場合で違うのかどうかを比較しました。その結果、色よりも形を答える場合の方が、記号の個数が増加しても正確に答えられることが分かりました。にはどうしたらよいのか、対人印象に影響を与える視覚的な要因とは何か、食物の味や食欲に影響を与える食器やパッケージの配色や宣伝文句とはどんなものか、ストレスを緩和するための効果的な方法とは何かなどなど…。学生自身が日常生活の中で自分なりの疑問を見つけ、解決する方法を考えてほしいと思っています。卒業研究では、それぞれのテーマについて実験や調査を実際に行い、自ら収集したデータを、統計的手法を用いて解析することが条件となっています。個人差が大きく、移ろいやすい人間の心を、科学的、客観的に分析するためには、統計学の知識と技術が必要になります。経営情報学会の秋季全国研究発表大会が10月新潟中央キャンパスで開催されました。経営情報学会は、情報やコミュニケーションと経営の接点に関心を持つ約1100人の研究者、実務家などで構成されています。情報システムは、私たちの暮らしや企業活動に必須な電気、ガス、水道、電話、道路、橋梁、港湾などの施設、学校、病院などの社会インフラを支える重要な役割を果しています。しかし利用者からは情報システムが私たちの生活や企業活動にどのように貢献しているのか、ますます見えにくくなってきています。そこで本大会では「再考―社会インフラとしての情報システム@柳都、新潟」をテーマとしました。大会では、一般セッション、研究部会セッションおよびポスターセッションなど全部で77件の発表・報告があり、社会インフラにおける情報と情されました。基調講演は(株)オピニオン代表取締役社長の碓井誠氏から「流通・小売業の変化対応と事業インフラ革新」というテーマで、また特別講演は(株)キタックを創業された中てお話いただきました。両講演とも市民にも公開され好評でした。また大会では、社会インフラにおける情報システムの活用事例として、新潟市水道局から水道管路情報システムの展示、デモがあり、おいしい新潟の水道水をパックした「柳都物語」が大会参加者にプレゼントされました。(情報システム学科教授 小林満男) 1)研究論文・図書安藤 潤(国際学部 国際文化学科・准教授)・(2014年)安藤潤 他『少子・高齢化と日本経済』文眞堂(54-72頁)神長 英輔(国際学部 国際文化学科・准教授)・(2014年)「コンブから見るサハリン島の歴史」『Arctic Circle』北海道立北方民族博物館友の「「経経営営情情報報学学会会」」全全国国研研究究発発表表大大会会新潟中央キャンパスで開催ズームアップ大会スタッフ一同新潟国際情報大学 学報 国際・情報 平成27年1月発行 2014年度 No.4山と中報輝し心シ也てにス社起活テ長業発ムかしなのらて議利「」論用技とがな術題交ど者しわを教員の活動(本人申告による)会・季刊誌91号(4-9頁)小林 満男(情報文化学部 情報システム学科・教授)・(2014年)M.Tanaka,H.Sakamoto,M.Kobayashi & Y.Kitayama,"Estimation of Unwanted Spurius Domain Emissions From a Multicarrier Transmitter",IEEE Transaction on AEROSPACE AND ELECTRONIC SYSTEMS,Vol 50,No.3, 2293-2303小林 元裕(国際学部 国際文化学科・教授)・(2014年)"中日战争爆发与天津的日本居留民", 抗日战争研究 92(41791), 91-10125、26日の2日間、本学情報システム学科 伊村 知子講師全国から研究者・実務家 77件の発表・報告10/25・ 26ヒトの心を心理学の視点から科学的に理解社会インフラとしての情報システムを再考研究室

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