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湧源編集後記に代えて4年生・川村重次「細胞顕微鏡画像からの3次元再構築と細胞シミュレーション」です。数十枚のタバコ細胞の顕微鏡画像を3次元的に重ね合わせ、細胞シミュレータに適した入力データとしてコンピュータ上に構築する試みを行っています。思うように研究が進まないところもありますが、同時にやりがいも感じます。4年生・髙橋成人「アルツハイマー病に関わるアミロイドベータ生成回路のシミュレーション」。年々患者数が増え、大きな社会問題となっていますが、いまだ予防法や根本的治療法は確立されていません。病気の原因にアミロイドベータがあり、その生成過程の数理モデルの性質をCOPASIという米・独・英で開発された生化学反応シミュレータを用いて調べることに取り組んでいます。は、コンピュータによる医療技術に貢献するでしょう。そんな理論の開発や、細胞シミュレーションプログラム関係の技術開発は、近山研究室の主要な研究テーマです。 細胞顕微鏡写真を    3次元に再構築 アルツハイマー病の      原因に迫るゼミ生の卒業研究テーマゆう げん入試・広報委員 西山 茂近山研究室は生命システムの謎を解く研究に数学とコンピュータを用いて挑戦しています。システムとは「要素から成る、機能する全体」です。生命システムとは「生命体要情報システム学科 近山 英輔准教授素から成る、機能する個体」です。人間という生命体は60兆個200種類以上の細胞から成り、10万種類以上の生体分子より構成され、それらが複雑なネットワークを構成して、一つの個体というシステムとして働きます。ゲノム、RNA、タンパク質など、構成部品が「ネットワーク」や「システム」として動作するメカニズムについては、現在まだ未発見のことがたくさんあります。例えば、細胞や組織内の多数の複雑な物質種の運動を記述するために最適な運動方程式はまだ発見されていません。そのような理論にいがたNGOネが4月19日開かれ、基調講義と本学の国際交流インストラクター学生諸君によるワークショップを行ってきました。講義は、「これからの国際理解教育」と題し、まずは現代の日本を取り巻く状況についての歴史的な整理を行いました。「文明」の論理を取り入れた幕末の「第1の開国」、欧米の民主主義・自由主義を受け入れた太平洋戦争敗戦時の「第2の開国」、そして現在日本が直面する、いわゆる「第3の開国」です。この「第3の開国」の時代に重要なのは、外国から何か新ような〈外発的国際化〉ではありません。グローバル化の中で国内国外の区別が希薄になった今日の世界に、私たちが丸裸で投げ込まれた時どうすべきか判断できる力や、自分とは相いれない他者や敵かもしれない他者とも協働して生きる力など、それらを自ら内発的に考え行動する、いわば〈内発的国際化〉が求められています。そのような文脈で、学生が主体となり、自らが立案し、実践する中で共に学び合う、国際交流インストラクターの活動がなぜこれまで高く評価されてきたのか、その背景についてお話しさせていただきました。その後、本学の国際交流インストラクターの学生諸君が国際理解ワークショップを行いました。タイトルは、「多文化共生はもう始まっている―共生ってなんだろう」。「文化」とは何か、「多文化共生」とは何かについて、イスラーム文化圏で広く使用される「ヒジャブ」(スカーフ)を題材に議論しました。どの学生も落ち着いてファシリテーションをやり遂げ、会場の学びを深めることに成功していました。(国際学部国際文化学科教授 佐々木寛)これから1年間このコラムを担当させていただくことになった。よろしくお付き合い願いたい。ところで、このコラムの名前「湧源」は、日ごろよく利用される辞書類には掲載がなかった。しかし、水が湧く源という意味であろうこと、比喩的に「何かが湧く源」の意味で用いられるであろうことは、容易に理解できる。おそらく、初期のころのこのコラムの担当者が故事などから借用されたのだろうと思う。フィールズ賞受賞の数学者である広中平祐氏が好きだった言葉だそうである。広中さんには逆立ちしても及ばないが、私のコラムが皆さんの「アイディア」や「活力」「意欲」を湧かせる一助になれば幸いである。湧源の執筆依頼を受けたとき、すぐに初回は角田山を題材にしようと思った。なぜかは自分でもよく分からないが、少し考えてみた。私は2010年から本学で教員を務めており、通勤は、健康(とお金)をる。必然的に、越後赤塚駅から大学に来るときには、いつも角田山を遠望する。今の私にとって角田山はとても近しい存在であり、晴れた日の角田山の清々しい眺めは、一日の活力の源になっている。しかし、私は新潟市に生まれ高校卒業まで暮らしたが、その時は私にとって新潟市近辺の山といえば弥彦山であり、角田山とは疎遠であった。本学にとってこんなに近くにある角田山が、以前の私と似たように疎遠であるのは不思議である。本学の校歌に佐潟や弥彦山は出てくるが、角田山は出てこない。学生食堂の名前も弥彦である。ただし、教員の親睦会は「角田会」であるが、その程度である。四季折々、天候によってさまざまな姿を見せてくれる角田山は、本学の学生、教職員にいろんな刺激を与えてくれると思う。一度、じっくり角田山を眺めてほしい。角田山はキャンパスライフのさまざまな「湧源」となるはずであり、だから大学には角田山をもう少し大事に扱ってもらいたい。まず手始めに、現学生ホール2階の喫茶室の名前を「角田(山)」に変えたらどうだろうか。って越後線を使っていすがすがズームアップクロスパルにいがた新潟国際情報大学 学報 国際・情報 平成26年7月発行 2014年度 No.2                   慮   6お もんば か――「にいがたNGOネットワーク」国際教育研究会に招かれてとし5ッいい回トうも国ワ、の際ーをこク教れ輸育主ま入研催です究のるの第会生命システムの謎を解く「多文化共生ってなんだろう」 ワークショップで理解深める〈内発的国際化〉と本学国際交流インストラクターの評価研究室

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