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 ﹁国際研究概論﹂の授業は1年生の前期におかれ︑ほとんどの学生が履修する科目です︒この科目の目的は︑国境を越えた外の世界をどのように理解したら良いのかということを考えながら︑本学の建学の精神である﹁国際化教育﹂に基づく国際系科目の基礎を講義します︒授業では︑人によって様々な見方があるがその違いはなぜ起こるのかを︑世界観や論理構成の面から解き明かします︒たとえば︑最初の授業では︑名称のイデオロギー︑地図のイデオロギーという話をして︑名称や地図には政治的な意味︑すなわち誰かの利益や価値観が反映されていることを知ってもらいます︒﹁極東﹂とはイギリス人から見た﹁最果て﹂という意味があるし︑﹁日 ﹁情報システム﹂とは︑コンピュータのことだと思っている人が多いようです︒コンピュータは︑大量データの高速計算︑大量の情報の正確な蓄積︑ネットワークを通した高速コミュニケーションなどの︑人間が及ばない優れた能力を持っています︒しかし︑コンピュータをどのように使って便利で豊かな社会を作っていくかとか︑競争相手の会社に負けない良いサービスを提供していくかとかを考えるのは人間です︒  ﹁情報システム﹂とは︑図に示すように︑情報を集め︑その情報を蓄積・処理・分析し︑分析結果を活用して︑よりよい判断をするための仕組みのことです︒この中で︑コンピュータは集めた情報の蓄積・処理・分析の部分に大きな力を発揮します︒しかし︑情報をどこから︑どうやって集めるかを考えるのは人間です︒また︑コンピュータが処理した結果を分析し︑どのように行動する本海﹂という名称についても︑国際政治上の問題になっていることを説明します︒そうして︑できるだけ自国中心的にならない観点をもってもらいます︒  その他︑あまり話が抽象的にならないように︑具体的な国際問題を題材にしながら授業を進めています︒今年の題材は﹁イラク戦争﹂です︒中でも日本人人質事件の﹁自己責任論﹂が格好の材料になりました︒この問題は本質的に﹁冬山登山の遭難﹂とは異なり︑きわめて国際政治的な問題であることを授業で説明しました︒三人はボランティアや報道関係として日本政府とは関係なく﹁市民﹂としてイラクに行って︑日本政府と一体化された﹁日本人﹂であるが故に拘束され︑再び日本政府とは関係ない﹁市民﹂であることで解放されました︒ここから日本政府の責任も考えてみました︒この問題は︑国際関係を演じる役者︵行為主体︶としての国家と個人︵市民︶が複雑に絡み合った事例だといえます︒ かを判断するのは人間です︒﹁情報システム﹂とは︑情報の活用を目的とした︑コンピュータと人間を包含した広い概念なのです︒ な情報システム︵例えば︑コンビニシステム︑宅配便システム︑天気予報システムなど︶を取り上げて︑その中で人間とコンピュータがどのようにかかわりあっているかを知り︑利用者のために役立つ情報システムとはどのようなものかを勉強します︒そして︑新しい情報システムを企画し︑設計するためには︑単にコンピュータの知識だけではなく︑ビジネスや社会の仕組みや︑利用者である人間の心理や行動などの理解も必要であることを学びます︒ 国際研究概論・一年配当共通科目 情報システム・一年配当共通科目 情報文化学科 高橋 正樹 情報システム学科 竹並 輝之  ﹁情報システム﹂という授業では︑我々の生活に身近●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●介 紹 員 岸野 清孝 (情報システム学科) 教 任 新 情報の収集 人間による情報 収集 戦略の策定 担当科目 CEP専門分野 Language Anxiety and Self-efficacy in Language Learning経  歴 2003年 Nanyang Technological University      (National Institute of Education)      Master of Arts(Applied Linguistics) 2002-2004年 Research Assistant, National Institute of Education●学生に向けて一言 My main area of research interest is in psycholinguistics、 in particular,affective variables in language learning. Two of the variables I have researched on are language anxiety and self-efficacy and their effects on language learning. In addition,I am also interested in etymology,especially of Japanese Kanji characters and their relation to Chinese.情報の蓄積    処理    分析 コンピュータの活用 情報の活用 分析結果に基づ いた人間による 判断と行動 担当科目 専門分野 経  歴 ●学生に向けて一言 産業・流通分野において企業のビジネスモデルを分析し、ITの活用により経営改革を行うシステムを研究しています。 経営改革には優れた人材が必要であり、課題発見力、企画立案力、実行力、技術・知識、指導力を持った人材が要望されています。本学において、将来の目的、目標を明確に持ち、要望される能力を身につけることにより可能性を広げてください。 経営情報システム、流通と物流、情報リテラシィと倫理、 基礎演習、情報処理演習、情報システム演習 サプライチェーンマネージメント、ロジスティクス、 高度交通システム(ITS)京都工芸繊維大学工芸学部生産機械工学科卒業 京都工芸繊維大学大学院生産機械工学専攻修士課程修了 株式会社日立製作所トータルソリューション事業部本部長 ハン・リーイエン (情報文化学科) 情 報 シ ス テ ム 講講 義義 紹紹 介介

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