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 ご卒業おめでとう︒この四年間の大学生活を通じて︑何を得ることができただろうか︒学業のこともさることながら︑あなたが学業と同じくらい精を出したアルバイトについて私は考えてみたい︒  大学を卒業して社会に出るということは︑当然ながら︑大学時代のアルバイトがアルバイトではなく本業になるということだ︒アルバイトが大学に籍を置きながらの﹁かよい﹂の仕事だとしたら︑これからあなたは実社会で﹁住み込み﹂で生活することになる︒そして︑在学中のアルバイトでは実感できなかった﹁住み込み﹂のつらさを実感し︑大学生活を懐かしむことになるだろう︒  大学時代のアルバイトは︑その仕事がどれほど単調なものであっても︑あまり苦痛を感じなかったのに︑今やその仕事が本業になるとそうはいかない︒大学時代にあれだけアルバイトに精を出すことができたのは︑本来自分は大学生であり︑アルバイトに精を出す自分は︑仮の姿であるという精神的ゆとりがあったからであろう︒しかし︑割の良い深夜作業のアルバイトに疲れて︑午前中の授業から心地よく居眠りできる教室は︑卒業後のあなたにはもはや存在しないことになる︒  実社会に﹁住み込み﹂で突入していく際︑あなたの心の片端に﹁大学﹂をしのばせて持っていってもらいたいと私は願う︒大学時代のアルバイトを通じて培ったアルバイト感覚︑自分の仕事をつきはなして眺めることができる感覚を可能なかぎり持ち続けてもらいたい︒本業の仕事で困難に出くわすこともあるだろう︒そんなとき︑あなたの心の中にしのばせてきた﹁大学﹂の視点に立って自分の立場を眺めてみること︑そうした心のゆとりを持つことはとても大切なような気がする︒  そして︑あなたの心の中の﹁大学﹂がしぼみそうになったら︑いつでもキ■ンパスに遊びに来てもらいたい︒空と風と光があなたを待っています︒ 卒業おめでとうございます︒  卒業というと︑訓練を終えて大海原に漕ぎ出す船出や︑若鳥の巣立ちが思い浮かびます︒自分の判断で自由に行くべき方向を決め︑希望を胸に地道に漕ぎ続け︑飛びつづけると︑その先には新大陸や︑豊富な餌場がみえてくるでし■う︒  皆さんは︑大学で四年間の専門教育を受けてきました︒ただ︑専門教育といっても社会で通用するレベルから言うと︑ほんの入門です︒例えば︑一年間二コマのプログラム演習を受けると八十時間ほどの勉強をしたことになりますが︑会社でプログラマとして仕事をすれば十日もすればその位の量はこなしてしまいます︒要は︑社会に出てからの勉強と努力が︑その人の力となり評価となるのです︒  それでは︑大学での学生生活は何だったのでし■うか︒大学での勉強を通して︑専門分野の基礎的考え方を学んだと同時に︑卒業論文の作成や︑教員︑友人との接触を通して︑新しい課題にチ■レンジする勇気︑経験のない問題を解決する方法︑継続的に勉学を続ける姿勢︑広い視野と柔軟性のある思考力︑仲間とのコミュニケーション力などを身につけたことでし■う︒それに加え︑生涯の財産となる良い友人を得たことと思います︒これらは︑これから長い社会生活を営む上で︑何にも増して重要なものだと思います︒  私は毎年︑﹁一球入魂﹂という言葉を卒業生に贈っています︒これは野球やテニスなどの球技で使う言葉ですが︑自分の決めたことに︑その瞬間︑瞬間に魂を込めて打ち込めという意味です︒仕事だけでなく︑スポーツ︑恋愛など何にでも当てはまります︒心に留めておいてください︒  新潟国際情報大学を卒業したことを誇りに︑一歩一歩前進されることを期待しています︒                         情報文化学科教授 原口武彦 情報システム学科教授 竹並輝之 塚田真一 情報システム学科助教授 (在職期間:1998年4月〜2004年3月)   松井孝雄 情報システム学科助教授 (在職期間:1994年4月〜2004年3月) Nicola Hutton (ニコラ・ハットン) CEPインストラクター (在職期間:2002年4月〜2004年3月) 全 美順(チョン ミスン)*思い出  5年間の思い出で印象深いのは、カナダ海外研修です。行く前は、学生の引率ということで少し緊張しましたが、カナダでの生活は楽しい毎日でした。帰国途中のシアトル空港において寮生活で使っていたナイフをそのまま持ち込み、捕まってしまったことも今となっては良い思い出です。また、4期生や5期生達と昼食・夕食を食べたり、温泉やドライブなどに行ったりしたことも良い思い出です。5期生はゼミ生全体がまとまっており、卒業後にもみんなで集まってドライブに行ったりしました。ゼミ生以外の学生達とも遊んだり、ご飯を食べたり学生達との思い出がいっぱいです。 *学生に向けて  大学での4年間は学生生活最後の貴重な時間ですので、有意義に時間を過ごして下さい。社会人にならないと本当はよく分からないと思いますが、時間の面で自由がきき、自分のしたいことができる貴重な時間です。良い思い出をいっぱい作れるよう積極的に行動し有意義に過ごしてください。 *これからの予定  4月からは東京都日野市にある明星(メイセイ)大学において数学・統計学関係の授業を担当します。来年度前期まではシステム数学・多変量解析を担当しますので、どうぞよろしく。 *思い出  大学院生のときにお話をいただき、開学と同時に初めての勤務先として赴任してから10年(準備期間も入れればさらにもう数年)の間この大学の一員としてすごしてきました。長い期間ですから思い出もたくさんありますが、特に印象深いのは開学から数年間の学習指導委員および情報センター運営委員としての仕事です。学習ガイドや情報センター利用ガイドの作成に始まり、ほとんど何もない状態からさまざまな決まりやシステムを作っていく作業に参加できたことは大学教員として貴重な体験だったと思います。また、学生・教職員の皆さまを含め、心理学専攻学生だった頃にはお会いすることのできなかったようなさまざまな方々との出会いもたいへん有意義でした。研究面では後悔も残りますが、得るところの多い10年間でした。皆さまに改めて感謝いたします。 *これからの予定  4月からは愛知県にある中部大学の人文学部心理学科に勤務いたします。大学の規模も学科の専門もこれまでとはかなり違う環境になりますが、新潟国際情報大学での経験を生かして教育につとめるとともに、心理学研究者として改めて再出発するつもりでおります。 *これからの予定  イギリスに帰国し、イギリスで教育関係の仕事につく予定です(編集部)。 2003年9月から2004年3月まで、慶煕大学から招聘講師として韓国語を教えられました。 樋口 至 学務課長(在職期間:1999年4月1日〜2004年3月31日) 1999年に教務課長として着任し、2000年において大学入学者選抜大学入試センター試験の導入、2002年、2003年においては新潟大学、県内私立大学と本学間の単位互換に関する協定、編入学等の規程の整備に携わってまいりました。 退職後はのんびりと趣味の釣り三昧の生活を送る予定です。 退職者からの一言 卒卒卒卒卒業業業業業生生生生生ににににに贈贈贈贈贈るるるるるここここことととととばばばばば

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