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学生の満足︑地域社会の満足YUUGEN 高橋 正樹湧 源  ソウルの慶煕︵キョンヒ︶大学と新潟国際情報大学の交換教員プログラムで︑去る9月15日から6■月間︑韓国語を教えています︒明るくてまじめな学生たちと︑親切な先生のお陰で︑毎日楽しく生活しています︒新潟に来てからあまり日がたっていない時︑高橋先生から質問を受けました︒﹁白鳥見ました?﹂﹁はい︑最初来た時挨拶をしました﹂﹁ああ???﹂︒私は︑その﹁白鳥﹂という言葉を﹁学長﹂と聞き間違って︑そのように答えたのです︒ちなみに︑韓国語で学長は︑﹁ハクチョン﹂と言います︒後で私が間違ったことがわかり︑先生と一緒に笑ったことがあります︒私の6階の研究室で︑群れになってきれいに飛んでいく白鳥を見るたびにいつもそのことを思い出します︒  新潟で学校に来るのは︑まるで旅行に行く気持ちです︒ソウルでのように毎日混んでいる地下鉄に乗らなくてもいいし︑同じ電車の中で学校の先生や学生に会って楽しく話し合ううちに学校に着きます︒また︑学校では厳しい先生の姿ですが︑飲み会の席では普通の友達のように自由に笑ったり︑話し合ったりする先生たちの姿がとてもうらやましいです︒新潟に来てもう3■月になりますが︑新潟での楽しい生活を一生忘れないと思います︒大事なたくさんの思い出を作ってくださった広瀬先生と申先生︑純粋な学生たち︑毎日キムチを食べさせてもらっている食堂のおじさん︑山本室長をはじめ事務の方々︑本当にありがとうございます︒  内輪の話になりますが︑広報委員会は学外の方に広く大学を知っていただくことを仕事にしております︒この﹃国際・情報﹄誌もそのひとつの媒体であり︑大学の活動内容をお伝えすることが︑大学を身近に感じていただく最良の方法だと思っております︒  ただ︑どんなに広報を工夫しても︑結局は︑学生が大学に満足してくれることに勝る広報はないと思っています︒そして︑学生の満足にとって重要なことは︑学ぶ意欲を強くもった学生にどれだけ教育の現場で応えることができるかだと思います︒学生が大学に満足してくれれば︑かれらがサポーターになってくれるはずです︒その意味で︑大学とは基本的には教師と学生との学びの共同作業の場である︑という原点に常に立ち返る必要があるように思います︒  同時に︑地域に根ざした大学という観点から︑地域社会の満足も重要になってきます︒九七年に出版された﹃新潟からの提言︱大学が地域を変える﹄︵新潟日報社︶を読むと︑それまで新潟では︑地域社会と大学がいかに遠かったかと不満が示されています︒本学では大学と地域社会との橋渡しをするために︑開学当初から地域交流委員会を中心に活動してきました︒とくに開学時に地元自治体から多くの支援を受けた本学にとって︑この地域交流とは地域社会へのお返しの部分だと思っています︒中でも﹁パソコン講座﹂や﹁映画の中の市民社会﹂はお蔭様で好評を博してきました︒とくに﹁映画の中の市民社会﹂はすでに五年目に入り︑新潟県と新潟市の両教育委員会の後援を受け︑シネウインドの協力を得て︑地域社会と大学と結ぶ企画として定着してきました︒毎年四回の連続で毎回百名近くの方にご参加いただき︑新聞やテレビでも取り上げていただきました︒これは地域社会に満足していただいている証拠かと思います︒  学生や地域社会の満足が大学にとっていかに大切かは︑良い試合をしてファンを大事にすることで熱烈なサポーターを獲得しているアルビレックス新潟をみても︑つくづく感じることです︒ 新潟大学大学院 自然科学研究科 博士課程前期二年 石川 雅浩  母校︑新潟国際情報大学を卒業して︑早いもので二年の月日が過ぎようとしています︒このような文章を書く機会に恵まれるとは︑二年前には考えてもいなかったので驚いています︒拙文ながら︑簡単に近況報告と今後の予定を書いてみようと思います︒  僕は今︑新潟大学の修士課程に在籍し︑来春卒業を控えています︒大学院では︑胸のレントゲン写真に関する研究を行っています︒具体的には︑レントゲン写真を処理して見やすくすることで医師の診断を支援しようという研究です︒実は今︑その成果報告として︑2日後に学会を控え慌しい最中です︒学会が終われば︑一月には修士論文をまとめる期日が迫っておりまだまだ多忙な日々が続きます︒研究は︑うまくいくこともあれば︑失敗して落ち込むこともあります︒しかし︑なんといっても遣り甲斐があり︑充実した毎日です︒思えば︑大学四年の夏︑卒業研究を決められず迷っていた際に先生に勧めていただいたのが切っ掛けでした︒当時は︑こんなに長い付き合いになるとは夢にも思いませんでした︒しかし︑先生に根気良く教えていただき︑手探りだった医用画像の世界の魅力に触れ︑現在の進路を選択することになりました︒今でも研究方針に迷った際には︑よく相談にのってもらい良いアドバイスを頂いています︒また︑担当では無かった多くの先生方にもご支援いただき︑とても感謝しています︒研究の話ばかりになってしまいましたが︑研究会を通して岐阜や東京を訪れる機会もあり︑実はそれが良い息抜きになっています︒見聞を広げる意味でも︑そういう機会を増やしていけたらと思っています︒  今後の予定は︑修士課程でやりきれなかった目標を実現するために︑博士課程に進学して研究を続ける予定です︒研究題材も︑レントゲン写真に限らず胸部CTやマンモグラフィなどの医用画像にも挑戦したいと思っています︒日々学ぶ事が多く︑不安もありますが卒業生として恥ずかしい事の無いようがんばりたいと思います︒ 情報システム学科 二〇〇二年度卒 慶煕大学招聘講師 全 美順︵チョン・ミスン︶ 情報文化学科助教授︵広報委員︶

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