模擬講義2021
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B大学の講義は面白い:大学の講義を体験してみよう04講義番号B-01講義番号B-02講義番号B-03講義番号B-04講義番号B-051995年 早稲田大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学1992年 慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程単位取得満期退学2002年~2003年 ニューヨーク大学招聘研究員「ヨーロッパの現代史」第二次世界大戦後のヨーロッパ統合の歴史をおおまかにとらえたうえで、最近のユーロ危機、ウクライナ紛争、パリのテロ、そして難民危機に揺れるヨーロッパの現在(いま)を、考えていきます。「英語を訳して政治を考えよう」下の英文は、作家の村上春樹さんがイスラエルという国のエルサレム賞という文学賞を受賞した際のスピーチに出てくるものです。このスピーチには、パレスチナ問題という悲惨な紛争が重くかぶさっていました。その中のこの一節は、圧倒的な強者が全くの弱者を次々に殺していく事態を見つめようとするものであり、その事態をどのように理解すべきなのかを問うものです。村上春樹さんはスピーチ全体を通じて、文学の力を信じるこころを訴えかけています。スピーチは英語で行われました。この講義では、スピーチ全体の内容について説明しながら、そこに流れるメッセージをしっかりと受け止めるために、下の英文の一節を訳してみたいと思います。文法通りの機械的な訳文では、メッセージを受け取ることはできません。受験英語とは異なる、ものごとを考え表現を磨くための翻訳の実践です。ぜひ挑戦してみてください。Between a high, solid wall and an egg that breaks against it, I will always stand on the side of the egg.「EU(欧州連合)の政治」テレビや新聞、世界史や政治経済の授業などで、EU(欧州連合)の名前を聞いたことのある人は多いと思います。とくに最近は、ユーロ危機や難民危機で連日報道されているので、名前だけは身近に感じているという人も、少なくないでしょう。しかし、EUにはどのような国が加盟していて、単一通貨のユーロとはどのようなもので、加盟した国々はどのようなルールのもとで動いているのかとなると、なかなか詳しいことは分からないのではないでしょうか。この講義では、そうした基本的なことがらを解説しながら、EUのリアルな姿を紹介していきます。「アメリカとはどのような国か」コロンブスの「発見」以降、アメリカ合衆国がどのように作られてきたかについて考えます。自由のためにみんなで力をあわせて良い国を作ることのように語られる建国は、同時にネイティブ・アメリカン(インディアン)やアフリカ系アメリカ人(黒人)たちに対する虐殺と奴隷化を前提としていたものでした。その歴史を語る方法さえ、現在では差別と無縁ではありません。そうした歴史を経て、今のアメリカ社会がどのようになっていて、何が問題とされているのか。人種問題や政治の仕組みなどのわかりやすい解説と一緒に考えます。「ふだんの暮らしと政治の話」政治というと自分たちには関係のない遠い世界の話のように感じられるかもしれません。しかし政治の世界で決まることは、法律や税金などによって私たちの生活のすみずみまで影響を与えます。またその私たちの生活そのものもたくさんの小さな政治でできています。たとえば恋愛関係や家族関係など、人と人がつきあうところには必ず強者と弱者という権力関係が生じてしまいます。しかしそれをまた平等な関係にしようと努力することも政治の重要な目標のひとつです。そうした政治について考えてみましょう。臼井 陽一郎(USUI Yoichiro)国際学部 国際文化学科 教授経  歴:1989年 早稲田大学社会科学部卒業 専門領域:EU(欧州連合)研究越智 敏夫(OCHI Toshio)国際学部 国際文化学科 教授経  歴:1986年 立教大学法学部卒業 専門領域:政治学、アメリカ政治、現代思想国際学部 国際文化学科

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